トヨタが出資する未来創生ファンド、投資先の自動運転企業は?

May MobilityやLocal Motorsなど



出典:未来創生ファンド公式サイト

トヨタ自動車は自社でも自動運転関連企業に投資を行っているが、出資先である「未来創生ファンド」を通じても、さまざまな自動運転関連企業に投資を行っている。今回はトヨタが同ファンドを通じて投資している自動運転関連企業をまとめて紹介する。

■トヨタと未来創生ファンド

未来創生ファンドは2015年から運用が開始されたVC(ベンチャーキャピタル)で、トヨタのほかには三井住友銀行も出資している。


投資先として重点しているテーマは「知能化技術」「ロボティクス」「水素社会実現に資する技術」「電動化」「新素材」「カーボンニュートラル」などで、すでに第3号ファンドまでが立ち上がっている。

このテーマの中で「知能化技術」と「ロボティクス」のテーマに重なるのが自動運転技術であり、すでに明らかになっている情報においては少なくとも4社の自動運転関連企業に投資していることが分かっている。

■自動運転分野における投資先は?
May Mobility:自動運転シャトルを開発、日本でも実証実験

May Mobilityは自動運転シャトルの開発・運用を行う米スタートアップ企業で、2017年にミシガン大学の自動運転開発チームを中心としたメンバーで設立された。

米国内の3都市で車両を展開しており、すでに27万回以上の運行実績を誇っている。2021年3月には日本の広島大学で実証実験が行われた。


トヨタは2019年12月、未来創生ファンド通じてMay Mobilityに5,000万ドル(約54億円)を出資した。

▼May Mobility
https://maymobility.com/

Local Motors:3Dプリンティング技術を車両製造に活かす

Local Motorsは、3Dプリンティング技術を用いて自動運転EV(電気自動車)のパーツを設計・製造しているアメリカ企業だ。3Dプリンティング技術を用いることで、従来よりも車両製造に要する期間を大幅に短縮することを可能としている。

未来創生ファンドは2020年11月、金額は非公開だが同社に出資を行っている。

▼Local Motors
https://localmotors.com/

WHILL:自動運転の「パーソナルモビリティ」を開発

2012年創業の日本のWHILLは「すべての人の移動を楽しくスマートにする」というミッションのもと、車椅子型の自動運転パーソナルモビリティの製造・開発・販売をしている。

簡単に言えば、車いすユーザーが近距離移動をしやすくするためのソリューションで、羽田空港などでこれまで実証実験を行い、成功を収めている。

2016年、販路拡大やシェアリングなどの事業開発、自動走行などの機能開発などのために総額1,750万ドル(約20億円)を資金調達し、このうち350万ドル(約4億円)を未来創生ファンドが出資している。

ティアフォー:オープンソースの自動運転OSを開発

2015年設立のティアフォーは、名古屋大学発のベンチャーだ。世界初のオープンソースの自動運転OS「Autoware」を開発・展開している。実証実験の実績は国内屈指だ。自動運転タクシーのほか、自動配送ロボットの実証実験にも参加している。

未来創生ファンドは2018年5月、ティアフォーに対して10億円規模の出資を行った。

■【まとめ】大きな成功を果たす企業が出てくるか注目

未来創生ファンドは2015年の設立以来、日本のみならず世界のベンチャー企業に投資を行い、2022年3月には、総額1,000億円規模のファンドとなることを目指すとしている。

未来創生ファンドがこれまで投資してきた企業の中から、大きな成功を果たす企業が出てくるのだろうか。引き続き注目していきたい。

記事監修:下山 哲平
(株式会社ストロボ代表取締役社長/自動運転ラボ発行人)

大手デジタルマーケティングエージェンシーのアイレップにて取締役CSO(Chief Solutions Officer)として、SEO・コンテンツマーケティング等の事業開発に従事。JV設立やM&Aによる新規事業開発をリードし、在任時、年商100億から700億規模への急拡大を果たす。2016年、大手企業におけるデジタルトランスフォーメーション支援すべく、株式会社ストロボを設立し、設立5年でグループ6社へと拡大。2018年5月、自動車産業×デジタルトランスフォーメーションの一手として、自動運転領域メディア「自動運転ラボ」を立ち上げ、業界最大級のメディアに成長させる。講演実績も多く、早くもあらゆる自動運転系の技術や企業の最新情報が最も集まる存在に。(登壇情報
【著書】
自動運転&MaaSビジネス参入ガイド
“未来予測”による研究開発テーマ創出の仕方(共著)




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