米Embark Trucks(エンバーク・トラックス)がトラック向けの自動運転ソフトウェアを開発しており、すでにそのソフトウェアの購入予約件数が1万4,200件に上っていることが、海外メディアの報道で2021年10月19日までに明らかになった。
自動運転ソフトウェアを予約注文しているのは、米大手トラック会社のKnight-Swiftや運送会社のMesilla Valleyなどだ。予約がそのまま契約に結びつくかは不透明だが、全ての予約が契約に結びつけば、同社が掲げる収益目標も達成に近づくという。
ちなみに、同じくトラック向け自動運転ソフトウェアを開発する同業のTuSimpleは、これまでに約6,700件の購入予約を受けていることを公表しており、単純比較すると、現時点ではEmbark Trucksの方が予約件数が2倍以上多いことになる。
■Embark Driver、主要メーカーのトラックに対応
Embark Trucksは「Embark Driver」という名称で、自動運転ソフトウェアを開発しているようだ。
報道によれば、このソフトウェアはさまざまなトラックメーカーの車両に実装することができ、例えば、ボルボ(Volvo)やフレイトライナー(Freightliner)、ピータービルト(Peterbilt)といった主要メーカーのトラックに対応しているという。
一方、ソフトウェアを実装するだけでは自動運転は実現できず、半導体大手NVIDIAや自動車部品大手ZFの製品なども一緒に搭載することで、トラックの自動運転化が実現できるという。
ちなみにEmbark Trucksの自動運転ソフトウェアは、走行距離に応じた従量課金制で提供する方針であることが、これまでの報道で明らかになっている。1マイル(約1.6キロ)当たりの料金は31〜38セント(約35〜43円)のようだ。
■TuSimpleとの予約獲得合戦に注目
Embark TrucksはこれまでにSPAC上場の計画を明らかにしている。特別買収目的会社(SPAC)の「Northern Genesis Acquisition Corp. II」と合併し、年内もしくは来年には上場する可能性が高い。
この記事で取り上げた同業のTuSimpleはすでにアメリカ市場で上場しており、今後しばらくはこの2社が繰り広げる自動運転ソフトウェアの予約獲得合戦に、注目が集まりそうだ。
【参考】関連記事としては「米EmbarkがSPAC上場へ!天才2人が自動運転トラック向け技術を開発」も参照。
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— 自動運転ラボ (@jidountenlab) June 28, 2021