Amazonの無人デリバリー車両、「トヨタ車」採用の現実味 自動運転試験を拡大

米国仕様SUV「ハイランダー」がベースに?



出典:Zoox公式YouTube動画

EC(電子商取引)世界最大手の米Amazonは、将来的に自動運転配送車を導入することで、増え続ける配送需要に対応しようとしている。もちろん、こうした車両を導入した方が輸送コストを抑えることができることも見越している。

そして将来的な自動運転配送車の導入に向け、傘下に収めた自動運転スタートアップの米Zooxとともに実証実験を開始していることは既に周知のことだが、自動運転ラボとしては実証車両にトヨタの米国仕様車「ハイランダー」が使われていることに注目したい。


■シアトルでもトヨタ車をベースに実証実験

AmazonがZooxはこれまでに、カリフォルニアとラスベガスでも実証実験を行っており、この両地域においてもトヨタのSUV(多目的スポーツ車)であるハイランダーを実証車両として使った。ハイランダーには多数のセンサーが搭載されていた。

そしてAmazonとZooxは今後、この実証車両を使ってシアトルでも実証実験を行うという。シアトルは「雨の街」などと呼ばれ、雨の中での安全な自動運転技術を確立するにはシアトルがもってこいだからだ。

このように、ハイランダーをベースとする試験車両での実証実験を拡大していくことを考えると、Amazonが将来もトヨタのハイランダーを自動運転配送車のベース車両として使う可能性が高いと言えそうだ。


■このままトヨタ車が採用されるか注目を

ちなみにシアトルでの実証実験では、ハイランダーをベースとする試験車両が2桁台投入される計画らしい。2桁台程度ではトヨタの売上にはさほど貢献しないが、これが数百台、数千台となっていくと話は変わってくる。トヨタの売上高に対する寄与度はかなり大きくなる。

Amazonがトヨタ車を採用したとなれば、トヨタのブランド力がさらに強くなることも考えられる。果たしてこの記事で展開した未来予想がその通りになるのか、注目してほしい。

記事監修:下山 哲平
(株式会社ストロボ代表取締役社長/自動運転ラボ発行人)

大手デジタルマーケティングエージェンシーのアイレップにて取締役CSO(Chief Solutions Officer)として、SEO・コンテンツマーケティング等の事業開発に従事。JV設立やM&Aによる新規事業開発をリードし、在任時、年商100億から700億規模への急拡大を果たす。2016年、大手企業におけるデジタルトランスフォーメーション支援すべく、株式会社ストロボを設立し、設立5年でグループ6社へと拡大。2018年5月、自動車産業×デジタルトランスフォーメーションの一手として、自動運転領域メディア「自動運転ラボ」を立ち上げ、業界最大級のメディアに成長させる。講演実績も多く、早くもあらゆる自動運転系の技術や企業の最新情報が最も集まる存在に。(登壇情報
【著書】
自動運転&MaaSビジネス参入ガイド
“未来予測”による研究開発テーマ創出の仕方(共著)





関連記事