米Googleの自動運転部門を担うWaymo(本社:米カリフォルニア州/CEO:ジョン・クラフチック)=ウェイモ=は2020年7月26日までに、欧州自動車大手のFCA(フィアット・クライスラー・オートモービルズ)と戦略的パートナーシップを締結した。
小型商用車の自動運転分野で独占的提携を行い、まずは同社の自動運転システムをFCAの商用車に組み込む計画だ。
■STELLANTIS傘下のブランド全てに及ぶ契約に?
ウェイモとFCAの関係は今に始まったものではない。2016年にFCAはウェイモ初のOEMパートナーとなっており、WaymoはFCAのミニバン「クライスラーパシフィカハイブリッド」に自動運転システムを搭載し、自動運転タクシーサービスに使用している。
今回の戦略的パートナーシップで、ウェイモとFCAは物流向けの小型商用車を共同で開発するとしており、ウェイモの自動運転システム「Waymo Driver」をFCAの「ラム」ブランドのバンに組み込んでいく方針だ。
FCAにとっては、自動運転レベル4(高度運転自動化)の独占的かつ戦略的な技術パートナーとしてウェイモを選択した形となっている。
FCAは2021年にフランスの自動車メーカーグループPSAと合併し、STELLANTIS(ステランティス)という新しい会社になることを発表している。ウェイモとの契約はSTELLANTIS傘下のブランド全てに及ぶと考えられる。
【参考】自動運転レベル4については「自動運転レベル4の定義や導入状況を解説&まとめ 実現はいつから?|自動運転ラボ」も参照。
"真の自動運転"と呼べる「レベル4」を完全解説&現状まとめ トヨタ自動車や日産の実現目標は?|自動運転ラボ https://t.co/3m2yM2foR9 @jidountenlab #自動運転レベル4 #真の自動運転 #まとめ
— 自動運転ラボ (@jidountenlab) September 17, 2018
■技術サプライヤーとしての存在感も高めるウェイモ
Googleの自動運転プロジェクトがスピンオフする形で設立されたウェイモ。2018年12月に自動運転タクシーサービス「Waymo One」の提供を開始し、すでに一部でセーフティドライバーも同乗しない形でのサービス提供もスタートしている。
2020年に入り、新型コロナウイルス影響でサービスや試験走行を一時停止していたが、既にオペレーションを再開している。2020年3月には22億5000万ドルを資金調達しており、従業員の雇用やテクノロジーに充てるとされている。
2020年7月にはボルボ・カー・グループとの戦略的パートナーシップも発表したばかりで、ボルボの配車サービス向けの電気自動車プラットフォームにWaymo Driverを導入することを目指している。
ボルボ・カー・グループやFCAとの戦略的パートナーシップ…。自動運転タクシーでプレゼンスを高めてきたウェイモが、技術サプライヤーとしての存在感も高めている。
【参考】関連記事としては「ボルボ・カーズ、自動運転でウェイモと戦略的パートナーシップ契約」も参照。