トヨタ自動車株式会社(本社:愛知県豊田市/代表取締役社長:豊田章男)は2月6日に行われた2019年3月期第3四半期(2018年4月1日~12月31日)の決算発表で、「MaaS戦略のアプローチ」と題し、地域や市場に合わせ3つのアプローチを推進すると発表した。
その3つのアプローチとは「外部事業者協業モデル」「トヨタ事業主体モデル」「販売店事業主体モデル」だ。
■外部事業者協業モデル
世界の各地域における有力なMaaS事業者と提携を進める。配車アプリ運営企業であるGrabとの協業では、トータルケアサービスを軸に車両情報の提供を行い効率的な運営を支援する。
トヨタ自動車では車両データを一元的に管理する「モビリティサービスプラットフォーム(MSPF)」の構築を進めている。走行情報からのリスクのスコアリングに応じた保険の提供を保険会社に促すほか、車両情報のリアルタイム管理やメンテナンスにも応用が可能だ。
Grabレンタル車両の東南アジアにおけるトヨタ車シェアも2020年度までに25%引き上げる。
■トヨタ事業主体モデル
カーリース事業とカーシェアサービスをトヨタ主体の事業として進める。カーリース事業では「TOYOTA MOBILITY SERVICE」と「KINTO」が中心となる。
TOYOTA MOBILITY SERVICEはタクシー事業者やレンタカー業社など向けのカーリース事業だ。トヨタでは事業者の幅広いニーズに応える約70車種のラインアップを揃えており、高品質なメンテナンスを全国で受けられる「安心プラス」サービスの提供と・コネクティッドサービス「TransLog」を通じた車両管理システムの提供を進める。
また、個人向けでは最長3年間毎月均等払いで乗ることができる「KINTO-ONE」、最長3年間6カ月ごとに6台乗り変え可能な「KINTO-SELECT」の提供を進める。両プランにはメンテナンス・保険などが含まれる。
■販売店事業主体モデル
カーシェアサービス「Hui」による取り組みを進める。Huiではホノルル市内25カ所のステーションにある車両をスマホのアプリから24時間予約・利用が可能で、車両のドアロック開閉もスマホで行える。1時間あたり9.95ドルから利用可能で、ガソリン代や保険、税金などが基本料金に含まれている。
■MaaS車両のラインナップについても発表
決算発表では、小型・中型・大型の3サイズに分類したMaaS車両についても説明している。
最も早い導入を目指しているのは大型車両に当たる「e-Palette」だ。人と貨物の輸送を行える多目的近距離輸送車で動力はEVを想定している。翌2021年には中型車両でHV方式の「MaaS Sienna」の発売を計画する。小型のEV「MaaS EV」の開発も進めている。
また、自動運転レベル2〜3の車両に後付けの「ADK」と呼ばれるユニットを車両上部に取り付けることでレベル4のMaaS専用車にコンバートする技術の開発も進んでいる。
トヨタはモビリティサービスと高い技術力を生かしたMaaS車両の開発を通じ、安全で快適な未来のクルマ社会の構築を目指す。
【参考】関連記事としては「【決算深読み】トヨタ自動車のコネクテッド戦略「3つの顔」とは? 「守り」「改善」「攻め」を強調」も参照。
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— 自動運転ラボ (@jidountenlab) February 10, 2019