中国のIT大手Baidu(百度)と自動運転スタートアップPony.ai(小馬智行)はこのほど、北京市でドライバーレスの自動運転タクシーの走行許可を得た。
北京市当局が許可したもので、完全無人による自動運転タクシーサービスを行うことができる。この許可には3段階あり、1段階目は助手席にセーフティドライバーがいる必要があり、2段階目は後部座席にセーフティドライバーがいる必要があった。
BaiduとPony.aiは、2022年11月に2段階目の許可を取得していた。これまでの実証実験の結果により、車両の安全性能などの確認ができたことから、今回の3段階目の完全無人でのサービス許可が出された。
■北京の自動運転実証区
完全無人タクシーの走行は許可されたものの、北京当局は走行エリアや台数などに制限を設けている。走行できるのは、北京市郊外の北京経済技術開発区にある「北京ハイレベル自動運転実証区」(BJHAD)だ。
このエリアは37平方マイル(約95平方キロメートル)あり、ドライバーレスタクシーは各企業10台までの走行が許可されている。なお走行許可エリアは、今後300マイル以上に拡大する予定だという。
米国ではすでに、アリゾナ州フェニックスやカリフォルニア州サンフランシスコで、Google系のWaymoやGM傘下のCruiseによる完全無人タクシーサービスが開始されているが、報道によれば、首都で許可を出した国は中国が「世界初」となる。
■Apollo Goを展開しているBaidu
Baiduの自動運転タクシーサービス「Apollo Go」は、2019年から実証実験を行っている。2022年8月には、重慶市と武漢市の2都市で、中国で初めて公道で完全無人でのタクシーサービス提供の許可を得ている。2023年1月末までに、すでに200万ライドを突破しているようだ。
【参考】関連記事としては「爆速展開!百度の自動運転タクシー、すでに140万ライド」も参照。
爆速展開!百度の自動運転タクシー、すでに140万ライド https://t.co/5cow2FhMkx @jidountenlab #百度 #自動運転
— 自動運転ラボ (@jidountenlab) December 7, 2022
■タクシーライセンス初取得のPony.ai
Pony.aiは、自動運転開発企業として中国で初めてタクシーライセンスを取得したことを2022年4月に発表した。これにより、同年5月から広州市南沙で運賃徴収を行うタクシーサービスを開始できるようになった。
同社のシステムは最近のアップデートにより、タクシー走行中に遠隔地にいるオペレーターとコミュニケーションを取れるようになったという。
【参考】関連記事としては「トヨタ出資の中国Pony.ai、自動運転企業で初のタクシー営業証取得」も参照。
トヨタ出資の中国https://t.co/24rhM9t8pd、自動運転企業で初のタクシー営業証取得 https://t.co/4TffXq4nw5 @jidountenlab #Pony #中国 #タクシー
— 自動運転ラボ (@jidountenlab) April 29, 2022
■中国×自動運転はまだまだ加熱
中国各地では自動運転タクシーや完全無人自動運転タクシーの走行許可がおりていたものの、首都である北京での完全無人の自動運転タクシー許可は今回が初となる。
中国ではBaiduとPony.aiの一騎打ちになるのか、もしくは今後、ほかの企業などが台頭してくるのか。最近ではインテル傘下のMobileyeが中国におけるテスト施設の開設に発表しており、中国×自動運転はまだまだ熱くなりそうだ。
▼Baidu公式サイト
https://www.baidu.com/
▼Pony.ai公式サイト
https://www.pony.ai/
【参考】関連記事としては「中国の自動運転タクシー事情」も参照。