日本企業のロボット利用率、「先進国で最低水準」の41% 中国の半分以下

「ロボットへの信頼度」も低い結果



ロボットを利用している日本企業の割合は41%という調査結果が発表された。グローバル平均は50%であった。中国は89%、フランス51%、北米45%であるため、先進国の中で日本はロボット導入率が最低水準と言える。


この調査は、ブラックベリーの子会社で組み込みシステム向けのリアルタイムオペレーティングシステムを手掛けるQNXが行ったものだ。

一方、日本は製造業や自動車業界では、グローバル平均より高い導入率となった。調査結果を通じて、ロボットの導入における日本特有の傾向と課題が明らかになった。

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■中国89%に対し、日本は41%にとどまる

QNXは、日本を含む世界各国の医療、製造、自動車、重機産業の経営幹部1,000人(うち日本から100人)を対象にロボットの導入に関する調査を実施し、その結果をこのほど公開した。

▼QNX、日本のロボティクス導入の現状と課題を浮き彫りにした新たな調査結果を公開
https://prtimes.jp/main/html/rd/p/000000100.000060255.html


現在ロボットを利用している日本企業の割合は41%、グローバル平均は50%であった。国別では下記となり、中国が突出して高レベルにあることが分かる。

  • 中国:89%
  • フランス:51%
  • ドイツ:47%
  • 北米:45%
  • イギリス:45%
  • 日本:41%

また今後導入予定がある日本企業は24%、グローバル平均47%。「ロボット運用の準備ができている」と回答した日本企業は42%、グローバル平均69%であった。国別では下記となる。中国はロボットの採用への意識が高く、日本は先進国の中で極端に低いことが分かる。

  • 中国:94%
  • ドイツ:74%
  • 北米:69%
  • イギリス:68%
  • フランス:64%
  • 日本:42%

■日本の製造業と自動車業界では…

日本における業界別のロボット導入率は、下記の通りだ。製造業と自動車業界ではロボットの実装が進んでいるものの、医療と物流はグローバル平均から大きく下回っており、業界によって大きな格差があることが判明した。

  • 製造業79%(グローバル平均71%)
  • 自動車業界74%(グローバル平均65%)
  • 医療23%(グローバル平均40%)
  • 物流16%(グローバル平均48%)

また日本でロボット利用が最も進んでいる用途は下記となっている。


  • 自動化54%(グローバル平均50%)
  • 生産51%(グローバル平均46%)
  • サポート32%(グローバル平均36%)
  • 高リスク業務27%(グローバル平均28%)

■導入の最大の障壁は?

日本におけるロボット導入に「大きく影響を与える要因」として、すでにロボットを導入している日本企業の54%が「労働力不足」を挙げている。グローバル平均は27%のため、2倍となっており、少子高齢化を背景に日本で深刻化する労働力不足がロボットの導入に直結していることが分かる。

その他、日本企業からは大きな要因として、「安全性の向上」49%(グローバル平均44%)、「労働力の規模拡大と柔軟性の向上」44%(グローバル平均39%)、「技術の進歩」41%(グローバル平均51%)といった回答が寄せられた。

日本における導入の最大の障壁は「初期コストの高さ」で68%(グローバル平均47%)となり、中長期的なコストを含む総合的な経済的負担が、ロボット導入における大きな課題になっているとQNXは分析している。

また「ロボットを完全に信頼している」と回答した日本企業の割合は10%(グローバル平均13%)、「全く信頼していない」は23%(グローバル平均8%)であり、コストと信頼度がロボット導入のハードルになっていることが分かる。

なお国別のロボットへの信頼度(※業界内での重要な業務においてロボットを「信頼している」と回答した組織の割合)は下記の通りだ。

出典:BlackBerry Japanプレスリリース

■ロボット導入の必要性高まる日本

国別でのロボット導入率や信頼度は、中国が圧倒的に1位となっている。反対に日本はロボットへの信頼度が低く、メンテナンスや既存統合といった初期コストの高さが導入の大きな障壁となっている。特に大企業の導入率78%に対し小規模企業では7%と、企業規模によって大きな格差が出ている。

今回の調査では、日本のロボット導入率が先進国で最低レベルにあることが浮き彫りになった。自動運転車の導入と社会受容性にも影響を与えそうだ。

今後ますます労働人口が減っていくことが懸念される日本。ロボットを導入、またはロボットと共存することをより積極的に考えていく必要があると言える。

【参考】関連記事としては「楽天の自動配送ロボ、「人間の方が早い」と利用者」も参照。

記事監修:下山 哲平
(株式会社ストロボ代表取締役社長/自動運転ラボ発行人)

大手デジタルマーケティングエージェンシーのアイレップにて取締役CSO(Chief Solutions Officer)として、SEO・コンテンツマーケティング等の事業開発に従事。JV設立やM&Aによる新規事業開発をリードし、在任時、年商100億から700億規模への急拡大を果たす。2016年、大手企業におけるデジタルトランスフォーメーション支援すべく、株式会社ストロボを設立し、設立5年でグループ6社へと拡大。2018年5月、自動車産業×デジタルトランスフォーメーションの一手として、自動運転領域メディア「自動運転ラボ」を立ち上げ、業界最大級のメディアに成長させる。講演実績も多く、早くもあらゆる自動運転系の技術や企業の最新情報が最も集まる存在に。(登壇情報
【著書】
自動運転&MaaSビジネス参入ガイド
“未来予測”による研究開発テーマ創出の仕方(共著)




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