米ライドシェア最大手のUber Technologiesはこのほど、ネバダ州ラスベガスにおいて、自動運転タクシーサービスの展開を開始すると発表した。車両として採用されたのが、韓国の自動車メーカーである現代自動車(Hyundai)の電気自動車(EV)「IONIQ 5」だ。
Uberはこの自動運転タクシーサービスを、カナダの自動車部品メーカーであるAptivと現代自動車の合弁企業Motionalとともに展開する。自動運転タクシーをEVで提供することで、Uberが掲げている「ゼロ・エミッション」の目標にも寄与する。
展開当初は安全要員が車内に同乗するが、2023年に「完全無人」での自動運転タクシーを展開することを目指す。
■韓国製の車両を使用、日本はショック?
Uber Technologiesの自動運転タクシーで韓国製の車両が使用されていることは、自動車メーカーをはじめ日本の自動車業界としては少なからずショックと言えるだろう。
ライドシェアのプラットフォーマーとしてアメリカNo.1の座にいるUberは、いずれ自動運転タクシーの展開を本格化させることは確実だ。当然、相当数の自動運転車両が必要となり、その調達先が日本ではなく韓国になれば、日本企業としては巨大な売り先の1つと失ったことを意味する。(もちろん、韓国製車両として並行して日本車が使用される可能性はあるが)
現代自動車との合弁企業であるMotional。その商用化担当バイスプレジデント(Vice President of Commercialization)のAkshay Jaising氏は「Motionalは、一般客のためにUberネットワーク上で完全電動の自動運転を展開する最初に企業となった」と自信を見せる。
自動運転タクシーサービスはまずラスベガスで展開され、その後はロサンゼルスに拡大することになるという。
■Waymoは中国Geelyに製造を委託
最近ではGoogle系Waymoが、自動運転タクシー用の新型自動運転車の製造を中国企業の浙江吉利控股集団(Geely)に委託したことが明らかになっている。
非自動車メーカーが自動運転タクシーを展開するためには、自社で車両の製造工場を持たない限り、自動車の製造能力を有する自動車メーカーなどとタッグを組む必要がある。日本の自動車メーカーはこうした企業になかなかパートナーとして選ばれない状態が常態化するのだろうか。
【参考】関連記事としては「Google、「中国企業」に自動運転車の製造委託 相手はGeely」も参照。