トヨタの新型カローラ、コネクテッド技術の結集度は?

Toyota Safety SenseやDCMを標準搭載



出典:トヨタプレスリリース

トヨタ自動車は2019年9月17日、セダンタイプの「カローラ」、ワゴンタイプの「カローラ ツーリング」を車名とともにフルモデルチェンジするとともに、ハッチバックタイプの「カローラ スポーツ」を一部改良し、それぞれの販売を開始した。

カローラは、1966年の誕生以来ロングセールスを続けるファミリーカー。誰もが知っているトヨタの象徴的存在だ。


新型には最新のADAS(先進安全支援システム)が標準装備されているほか、コネクテッド機能も利用可能な仕様となっている。買い求めやすい価格帯のファミリーカーだが、しっかりとトヨタの技術の粋が詰まっている。

今回は、この新型に搭載された運転支援機能やコネクテッド機能を中心に解説していこう。

■新型カローラの運転支援機能:Toyota Safety Senseを標準搭載

新型カローラには、プリクラッシュセーフティやレーントレーシングアシスト、レーダークルーズコントロールなど最新の安全機能を備えた予防安全パッケージ「Toyota Safety Sense(トヨタセーフティセンス)」が標準装備されている。

「プリクラッシュセーフティ」は、前方の車両や歩行者、自転車運転者をミリ波レーダーと単眼カメラで検出し、警報ブザーとマルチインフォメーションディスプレイ表示で衝突の可能性を知らせる。ブレーキを踏めなかった場合はプリクラッシュブレーキを作動させ、衝突回避や被害軽減をサポートする。


「レーントレーシングアシスト」は、車線の中央を走行するために必要なステアリング操作の一部を支援し、ブザーやディスプレイ表示に加えステアリング操作の一部をサポートする。

このほか、全車速追従機能付きの「レーダークルーズコントロール」やハイビームとロービームを自動切替する「オートマチックハイビーム」、道路標識をカメラで認識しマルチインフォメーションディスプレイ上に表示する「ロードサインアシスト」がパッケージ化されている。

また、一部車種では、駐車場など低速時に壁や車両を検知して衝突被害の軽減に寄与する「インテリジェントクリアランスソナー」や、後方から接近してくる車両を検知して衝突被害軽減に寄与する「リヤクロストラフィックオートブレーキ」を標準装備、またはオプションで設定できる。

【参考】関連記事としては「トヨタのToyota Safety Sense、導入3年半で搭載車両1000万台 自動運転につながる予防安全システム」も参照。


■新型カローラのコネクテッド機能:ディスプレイオーディオを標準装備
出典:トヨタプレスリリース

国内のトヨタブランドとして初めてディスプレイオーディオを全車に標準装備している。スマートフォンとの連携が可能となり、日常利用している地図アプリや音楽などをディスプレイで操作・利用することができる。

また、従来通りの車載用ナビ機能を利用したい人向けに、エントリーナビキットまたはT-Connectナビキットの2種類が選択可能だ。

スマートフォンとの連携では、スマートフォンをBluetoothとUSBケーブルで接続することで、TCスマホナビやLINEカーナビなどのナビアプリ、音楽・ラジオアプリなどをディスプレイオーディオで利用できる「SmartDeviceLink」をはじめ、「Apple CarPlay」や「Android Auto」も利用することができる。

DCM(車載通信機)を標準装備しており、コネクティッドサービスを基本利用料5年間無料で利用することができる。なお、6年目以降は年3300円、または月300円が必要となる。

T-Connectでは、エアバッグ作動時に自動で専門オペレーターに接続する「ヘルプネット」や、警告灯点灯時にクルマの状態をeケアコールセンターが確認し、適切なサービスを行う「eケア」、ドア・ラゲージの開閉やハザードランプなどの確認や、ドアロックやランプの消灯をスマートフォンから操作できる「マイカーサーチ」を基本サービスとして受けられる。

また、ロードアシストへの取り次ぎやレストラン・駐車場案内などをオペレーターが対応してくれる「オペレーターサービス」、ドアのこじ開けなどでオートアラームの作動を検知した際に、通知や車両の位置追跡・警備員の派遣などを行う「マイカーサーチPlus」などもオプションサービスとして用意されている。

【参考】トヨタのコネクテッドサービスについては「トヨタのコネクテッドサービス「T-Connect」と「e-Palette」を完全解説」も参照。

■そのほかの特徴:ライバーが感じる動きを解析

TNGAプラットフォームによりフラットな乗り心地や優れた操縦安定性、高い静粛性を実現したほか、運転中の目線の動きや旋回時の姿勢、ライントレース性などドライバーが感じる動きを解析し、サスペンションを最適化することで運転のしやすさをさらに追求している。

また、ブレーキ制御によって内輪に制動力を付与し、コーナリングをアシストするACA制御(Active Cornering Assist)も採用している。

■【まとめ】「カローラに続け」―ADASやコネクテッド機能の標準搭載化進む

昨年一足早く発売されたカローラスポーツ(今回は一部改良)は、国土交通省などが実施する自動車アセスメント「JNCAP」の2018年度前期の予防安全性能評価において最高ランク「ASV+++」を獲得しており、今回の新2種も当然同様の評価を得ることになる。他メーカーや高価格帯車種のADASと比べても見劣りしない安全性能だ。

また、さまざまな世代への普及が見込めるファミリーカーにコネクテッド機能を搭載することで、コネクテッドカーがより身近な存在となる。そして、サービス利用者の増加が各コンテンツの充実を後押しするといった好循環につながっていく。

ADASやコネクテッド機能は、もはや高級車種にのみ搭載された特別な機能ではない。今後は、当たり前の機能として「カローラに続け」と言わんばかりに全車標準装備化が進んでいくだろう。


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