自動運転タクシー市場は2020年から2025年の間に120%のCAGR(年平均成長率)を記録する——。米調査会社Market Insights Reportsは2021年5月24日までに、新たに発行した市場調査レポートにおいてこのような試算を発表している。
市場調査レポートの名称は「Global Robo-Taxi Market Size, Status And Forecast 2020-2026」で、ロボタクシー市場の規模の推移などについて調べている。
自動運転タクシーは2018年12月Google系Waymoが商用サービスを開始したのを皮切りに、現在では中国の検索サービス大手・百度(Baidu)も有料展開している。さらに実証レベルでは数多くの取り組みが世界で進んでおり、市場規模が急速に拡大するという予測は納得がいく。
■世界で加速する自動運転タクシー実証
前述の取り、世界ではさまざまな企業が実証実験を実施し、すでに実用化レベルに達している取り組みも多い。
例えば、ホンダと提携している中国の自動運転開発スタートアップAutoXは、2021年1月から中国国内で自動運転タクシーを一般向けに実証提供している。中国のスタートアップ企業としては、Pony.aiやWeRideの存在にも注目が集まる。
アメリカではカリフォルニア州で特に自動運転の実証実験が盛んで、米国企業としてはアマゾン傘下のZooxやGM Cruiseがテストドライバーなしでの自動運転走行の試験許可を得ている。Waymoに続くアメリカ国内の商用無人タクシーをローンチするか注目だ。
また、ロシアでは検索サービス大手のYandexが自動運転タクシーの実用化目前と言われ、GM Cruiseは2023年からアラブ首長国連邦のドバイで自動運転タクシーを独占運行することが決まっており、アメリカや中国、日本だけではなく、世界的に市場の拡大は確実だ。
■バイオテクノロジーやVRよりも有望市場
120%というCAGRは、ほかの市場と比べても飛び抜けて高い。例えば先進技術で言えば、同期間でバイオテクノロジーで15%程度、VR市場で18%程度というレポートを目にする。
バイオテクノロジーやVRに比べれば、自動運転タクシーの市場規模自体は現在はまだまだ小さいが、有望性で言えば自動運転タクシーに軍配が上がると言えそうだ。
【参考】関連記事としては「ずらり2ケタ成長!自動運転関連市場の成長率が驚異的」も参照。