2023年、米GM傘下Cruiseの自動運転タクシーの商用運行が、アラブ首長国連邦(UAE)のドバイで開始される見込みだ。ドバイには「2030年までに移動手段の25%を自動運転による移動に変える」という計画がある。Cruiseはこの流れにのって事業を拡大する。
■ドバイ道路交通局と契約契約を締結済み
Cruiseは自動運転タクシーで強い存在感を有するGoogle系Waymoに追いつくべく、2022年2月に米サンフランシスコで一般向け無人タクシーサービスの開始を発表した。
2023年から自動運転タクシーの運行がスタートする予定のドバイでは、2021年4月にドバイ道路交通局(RTA)と契約を締結済みだ。米企業が海外で自動運転タクシーを展開するのは初とみられる。
自動運転タクシーは主に、ドバイを訪れる外国人観光客に利用してもらうという。同社はドバイにおける自動運転サービス市場を、2029年まで独占展開することになりそうだという。
【参考】関連記事としては「準備着々!自動運転の「Cruiseタクシー」、ドバイで2023年から運行」も参照。
準備着々!自動運転の「Cruiseタクシー」、ドバイで2023年から運行 https://t.co/Ih2pCmg8Ig @jidountenlab #ドバイ #Cruise #自動運転
— 自動運転ラボ (@jidountenlab) February 18, 2022
■ドバイの国家戦略を追い風に成長できるか
冒頭でも少し触れたが、ドバイ道路交通局は2030年までに交通手段の25%を自動運転に転換する「Dubai Autonomous Transportation Strategy」という戦略を策定している。それに合わせ、Cruise は2023年のローンチから台数を徐々に増やし、2030年には4,000台まで規模を拡大する計画を立てている。
Cruiseの代表団は2022年2月にドバイを訪れ、インフラ状況や予測需要などを調査している。道路交通局や警察本部、電気・水道局、政府関係者とのキックオフミーティングも開催された。
2022年6月には、ドバイ市当局がデジタルマッピングプロジェクトを始動させている。ドライバーレス自動運転サービスの社会実装に向け、高精度な3次元マップを作成し、基盤整備をするためだ。
Google Mapのための画像データを集める「Google Mapカー」のように、車体の屋根部分にカメラやセンサーなどを備えた専用車両が、デジタルマッピングで街中をかけめぐっているという。
【参考】関連記事としては「ドバイ市、自動運転タクシー実現へ街中を3Dマップ化」も参照。
ドバイ市、自動運転タクシー実現へ街中を3Dマップ化 https://t.co/OvVTfHpk09 @jidountenlab #ドバイ #自動運転
— 自動運転ラボ (@jidountenlab) June 6, 2022
■ドバイでの問題回避へ「修正」「最適化」必須
着々と進む準備の一方で、Cruiseは米サンフランシスコで自動運転タクシーのトラブルを、2022年5月と6月に起こしている。Cruiseの自動運転タクシーのテールランプがついた状態で道をふさぎ、数時間立ち往生していたようだ。
同年4月には、横断歩道を渡ろうとしている歩行者に道を譲らず、サンフランシスコ警察が取り締まったという。さらに、消防車を25秒足止めしたこともあったようだ。
こうしたトラブルがドバイで起きないように、自動運転システムの根本的なシステムの修正はもちろん、ドバイの交通ルールにソフトウェアを最適化させる必要も今後出てくる。
中東で富裕層の集まるドバイにおいて、自動運転タクシーサービスの社会実装をしっかりと成功させ、Cruiseが先行組のWaymoを追い抜けるのか、注目していきたい。
▼Cruise公式サイト
https://getcruise.com/
【参考】関連記事としては「住民唖然!Cruiseの自動運転タクシー、深夜の「道路封鎖」」も参照。