アラブ首長国連邦(UAE)のドバイ市当局はこのほど、ドライバーレスの自動運転サービスの社会実装に向けたデータ基盤を整備するため、デジタルマッピングプロジェクトを開始した。
デジタルマッピングに際しては、「Google Mapカー」のような車両が街中で活躍しているようだ。
■3Dマップの作製に向けて
現地メディアが「Google Mapカー」と表現している車両は、Google Mapのための画像データを集める車両のように、車体のルーフ(屋根)部分にカメラやセンサーなどの各種機器を備えた専用車のようだ。
今回、Google Mapカーのような車両を走行させている目的は、自動運転タクシーをドバイ市内で実現させるために、高精度な3D(3次元)マップを作製することとされている。そして作製された3Dマップは、将来的にドバイで自動運転タクシーを展開する企業によって活用される予定だという。
恐らくその企業は、GM傘下のCruise(クルーズ)だ、
■3Dマップを活用するのはCruise?
自動運転タクシーを開発するCruiseは、自社開発の自動運転EV(電気自動車)「Origin」を使い、2023年からドバイで自動運転タクシーの運行を開始すると発表している。ドバイ市は2023年までの無人タクシーの社会実装を目標としており、この目標をCruiseのサービスによって実現しようとしている。
【参考】関連記事としては「自動運転タクシーを独占的運行!GM Cruise、ドバイで2023年から」を参照。
3Dマップ以外の準備も着々と進んでいるようで、自動運転タクシーが公道を走行できるようにするためのルールの策定も、2022年内に終了する予定となっている。
【参考】関連記事としては「ドバイ、2023年に自動運転車を公道解禁 無人タクシー展開へルール策定」を参照。
ドバイ道路交通局(RTA)は、2030年までに交通手段の25%を自動運転に転換する戦略「Dubai Autonomous Transportation Strategy」を策定している。Cruiseもドバイで2030年までに4,000台の自動運転タクシーを導入することを目標としている。
■社会実装のための準備が佳境
中東において富裕層が集まる国として有名なドバイ。そんなドバイで自動運転タクシーの社会実装のための準備が佳境を迎えている。Cruiseにとっても大プロジェクトであり、自動運転業界としても目が離せない状況が続きそうだ。
【参考】関連記事としては「GM Cruiseの自動運転AI、サンフランシスコ全域を「勉強エリア」に」も参照。