AMR(AI物流ロボット)製造の中国企業ギークプラス(Geek+)が勢いづいているようだ。中国メディアが選ぶ中国ユニコーンTOP 100にノミネートされたほか、日本国内の倉庫におけるシェアでも2年連続1位となっている。このギークプラスとはどんな企業なのか?
ギークプラスは中国・北京に本社を置き、主に自動搬送ロボットを製造している。2020年11月には中国メディア36krの「中国ユニコーン(企業価値が10億ドル以上の非上場企業)企業トップ100」にノミネートされた。
2017年8月に日本法人を立ち上げ、倉庫におけるAI物流ロボットの国内販売数量・金額では、2018年は約5割、2019年は7割のシェアを獲得し、2年連続で国内シェア1位(※富士経済調べ)となっている。ナイキや大和ハウス、トヨタなどが同社のAMRを導入しているようだ。
報道発表によると、同社はすでにアメリカやロシア、ドイツ、イギリス、オーストラリアなどにも展開しており、AI物流ロボットに関しては世界で1万台以上の販売実績があるようだ。
■将来有望な物流ロボット市場、参入企業増加中
インドの市場調査会社The Insight Partnersが今年発表したレポートによると、物流ロボット市場は2018年時点で43億5,000万ドル規模だが、2027年には7倍近くまで拡大するという。2019年から2027年にかけてのCAGR(年平均成長率)は20%近くと予想されるという。
日本を含む先進国では、少子高齢化に伴う人材不足が深刻化しており、省人化に向けた機運が高まっている。そのため、物流ロボットを活用することによる生産性の向上などへの期待感は大きく、こうしたニーズを見越して物流ロボットを開発する企業も増えてきた。
そのため今後はAI物流ロボットのシェア獲得競争が激しさを増すことは確実だ。日本企業側からみるといまは中国企業にシェアを奪われている形だが、今後はどのような展開になるのか要注目だ。
【参考】関連記事としては「物流ロボ、2027年に3兆円市場!崩れる「物流=労働」という常識 自動運転技術を活用」も参照。