自動運転タクシー、韓国ヒョンデも「米国でUberで配車」 Googleに続き

Avrideと車両開発、年後半から米ダラスで使用



韓国最大手の自動車メーカーである現代自動車(ヒョンデ)と、米自動運転スタートアップのAvrideが、自動運転タクシー共同開発することがこのほど明らかになった。


この車両は、米ライドシェア大手Uber Technologiesのプラットフォームを通じて運行される予定だ。アメリカではGoogle系WaymoもUberを通じて自動運転タクシーを配車しており、この動きに続く流れとなる。

本記事では現代自動車とAvrideの共同開発について主に取り上げるが、各社が自動運転タクシーの配車を、すでにユーザーとの接点を持つUberに任せる流れとなっている点は、注目すべきことだ。

【参考】関連記事としては「UberとGoogle、「テスラの城下町」で無人自動運転タクシーの配車開始」も参照。


車両開発については、現代自動車とAvrideが戦略的パートナーシップを結び、自動運転車の開発と運用で協力していく。2025年後半に、ヒョンデのEV「IONIQ 5」約100台にAvrideの自動運転技術が搭載され、自動運転化されたIONIQ 5がデビューする計画だ。

Avrideの前身は、ロシアのIT大手Yandex(ヤンデックス)だ。かつては「ロシアのGoogle」とも呼ばれていたYandexであったが、ロシアのウクライナ侵攻の影響をもろに受け、2022年3月頃に事業を停止していた。米国で再出発したロシアをルーツに持つ企業の快進撃が始まりそうだ。

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■ヒョンデとAvrideのこれまでの関係

出典:Avride公式ブログ

今回のヒョンデとAvrideの提携は、Avrideの公式ブログで発表された。自動運転車の開発と運用のためにヒョンデと覚書(MoU)を締結したという。両社はすでに数年間にわたり協力関係にあり、今回の提携はその延長線上にあるようだ。

Avrideはロシアを本拠としたYandex時代に、ヒョンデの乗用車「ソナタ」を技術テストのために使用していた。その後Yandexと名を変えて、米テキサス州オースティンを本拠として再出発していたことが、2024年夏に明らかになった。米国では、テスト用に改造したIONIQ 5を使っていたようだ。


AvrideのCEO(最高経営責任者)であるDmitry Polishchuk氏は「当社のチームは2019年からヒョンデと協力しており、このパートナーシップを特徴づけるプロフェッショナリズムと協力関係を大切にしている」とコメントしている。また「今回新たに合意したことにより、ヒョンデとともに事業を大幅に拡大し、2025年には最大100台の自動運転IONIQ 5を導入する計画だ。ヒョンデのIONIQ 5とAvrideの自動運転技術を活用していく」と意欲を見せている。

▼Avride and Hyundai Motor Company Announce Strategic Alliance to Accelerate Autonomous Mobility
https://medium.com/@contact_74397/avride-and-hyundai-motor-company-announce-strategic-alliance-to-accelerate-autonomous-mobility-452506a148dc

■自動運転配送サービスでも提携予定

今回の提携により、IONIQ 5はジョージア州にあるヒョンデの工場「Metaplant America」で組み立てられた後でAvrideの自動運転技術と統合される予定だ。Avrideが「IONIQ 5を100台追加する」ことが「大幅な拡張」であると同社は発表している。なお元々AvrideがIONIQ 5を何台所有していたかについては明らかにされていない。


Avride向けのIONIQ 5は、2025年後半にダラスで自動運転タクシーとしてデビュー予定だ。Avrideは2024年10月にUberと提携しており、ダラスではUberアプリを通じて配車される。またヒョンデとAvrideの提携関係は自動運転タクシーだけにとどまらず、Avrideのロボットを活用した自動運転配送サービスなどにも取り組んでいくという。

ヒョンデの社長であるChang Song氏は「ヒョンデは自動運転車両の製造事業を積極的に推進しており、レベル4自動運転に最も適した先駆的な車両の開発を目指している。Avrideのような先進的な自動運転開発企業との協力を拡大し、彼らの革新がモビリティの未来を形づくる取り組みに積極的に貢献できる環境を整えていく」と語っている。

■テスラも配車プラットフォームにUberを使う?

楽天グループは商品配送サービス「楽天無人配送」において、Avrideの自動配送ロボットを新たに導入するすると2025年2月に発表した。Avrideのロボットが日本でサービスに利用されるのは今回が初めてで、順次10台まで増やす予定だという。

ヒョンデのほかUberや楽天など、韓国・米国・日本の有力企業を手を組んでいるAvride。Yandex時代には自動運転開発における有望企業と目されていたが、ロシアでの事業を断念せざるを得なくなり、大量解雇も行われたと言われているが、米国での再出発後の快進撃はすでに始まっている。

そして冒頭触れたように、自動運転タクシーを開発する各社が配車プラットフォームとしてUberを利用する流れとなっていることにも注目だ。テスラも自動運転タクシーを展開する予定だが、Uberが選ばれることになるのか、関心が集まりそうだ。

記事監修:下山 哲平
(株式会社ストロボ代表取締役社長/自動運転ラボ発行人)

大手デジタルマーケティングエージェンシーのアイレップにて取締役CSO(Chief Solutions Officer)として、SEO・コンテンツマーケティング等の事業開発に従事。JV設立やM&Aによる新規事業開発をリードし、在任時、年商100億から700億規模への急拡大を果たす。2016年、大手企業におけるデジタルトランスフォーメーション支援すべく、株式会社ストロボを設立し、設立5年でグループ6社へと拡大。2018年5月、自動車産業×デジタルトランスフォーメーションの一手として、自動運転領域メディア「自動運転ラボ」を立ち上げ、業界最大級のメディアに成長させる。講演実績も多く、早くもあらゆる自動運転系の技術や企業の最新情報が最も集まる存在に。(登壇情報
【著書】
自動運転&MaaSビジネス参入ガイド
“未来予測”による研究開発テーマ創出の仕方(共著)




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