中国における自動運転レベル2(部分運転自動化)機能の搭載車が、1年で2倍以上に増えたことが、中国の市場調査会社「ResearchInChina」の市場調査レポートから明らかになった。
市場調査レポートでは、2020年1〜11月に保険に加入した乗用車を対象に調査を行った。自動運転レベル2機能を搭載した乗用車は前年同期比で118.9%増の260万台となった。搭載率は16.1%で、2019年の6.8%から大きく伸びた。
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■57ブランドが自動運転レベル2の機能を提供
中国ではレベル3以上の自動運転技術の開発も加速しているが、市販車の主戦場はまだ自動運転レベル2だ。
市場調査レポートによると、米テスラや中国のNIO、Lixiangといった新興自動車メーカーでは、レベル2の搭載率が100%だ。OTA(Over the Air)アップグレードでレベル2を実現しているケースも多いという。
また、中国ではすでに乗用車を展開する57ブランドが自動運転レベル2の機能を提供しており、そのうち28ブランドが1万台以上の車両に自動運転レベル2の機能を搭載したという。
ちなみに、最も自動運転レベル2を搭載した車両台数が2020年に多かったのはトヨタで、88万5,000台という。トヨタは「Toyota Safety Sense」を自動運転レベル2の機能として展開している。
■レベル2、そしてレベル3以上でも熱い中国市場
自動運転レベル2の搭載が急加速していることも注目すべき点だが、中国に関してはレベル3以上の自動運転技術の発展もめざましいものがある。
例えば、ネット検索大手・百度(バイドゥ)は2021年5月から運転席無人の自動運転タクシーの商用サービスを北京以外で開始している。世界的にはGoogle系Waymoに次ぐ形となり、今後は北京以外にも運行範囲を拡大していくものとみられる。
そのほか、ベンチャー企業やスタートアップ企業の技術レベルの向上も目を見張るものがある。中国のEVスタートアップであるHuman Horizonsは、自動運転レベル3車両の生産を開始することを発表している。ソフトウェアを無線アップデートする「OTA」も標準搭載予定だ。
そのほかの企業の取り組みも挙げれば枚挙にいとまがない。自動運転レベル2、そしてレベル3以上でも、中国市場は非常に熱い状況だ。
【参考】関連記事としては「北京、上海、深セン・・・中国の自動運転タクシー最新事情まとめ」も参照。