自動運転に必須!5G対応RFモジュール、2025年に6000億円市場

富士キメラ総研が「Society 5.0」市場調査



市場調査会社の株式会社富士キメラ総研(本社:東京都中央区/代表取締役社長:田中一志)は2019年5月21日までに、最新技術で社会課題の解決や経済発展を目指す「Society 5.0」の実現に関する電子部品の世界市場を調査し、その結果を公表した。


「Society 5.0」はIoT(モノのインターネット)やAI(人工知能)を活用し、自動運転システムやドローン、無人ロボットなどの自動制御テクノロジーで社会課題の解決を目指す社会のことだ。調査結果の中で、自動運転に関連する市場についてもピックアップされている。

■次世代通信規格5G、自動車への搭載は2021年頃から

次世代通信規格である5Gは従来の規格と比べて大容量の通信を低遅延で行えるのが特徴で、モバイル分野で注目が集まっているが、自動運転分野でも活用に向けて研究・実験が進んでいる。

5G対応のRFモジュールは高度な自動運転の実現に必要不可欠なパーツだとされ、自動運転レベル4(高度運転自動化)以上のシステムに対応するため、2021年頃から自動車にも搭載され始めると予測されている。

ヨーロッパを中心に高級モデルで搭載が始まり、世界的に自動運転のレベルが上昇するにつれて需要が増加するという。2019年現在はまだ量産が始まっていないが、2025年の市場規模は6437億円に達するという。


【参考】自動運転への5Gの活用については「自動運転と5Gの関係性を全解説 コネクテッドカーでも大活躍」も参照。


■高速通信規格イーサネット市場は2025年に36倍超

自動運転やADAS(先進運転支援)システムでは、大量のデータを高速で通信する技術が必須だといわれる。運転の判断をおこなうAI(人工知能)は外部サーバーに設置されることが多くなるとみられ、安全な運行のためには常に外部サーバーと通信して瞬時の判断を車両に伝える必要があるからだ。3Dマップや周囲の状況など、自動運転システムが扱うデータは増加傾向にあり、ますます車載高速通信システムの需要が高まっている。

高速通信を可能にする技術としてはイーサネットという規格が注目されている。イーサネット通信のための車載トランシーバーユニットは2018年の見込みで前年比3.1倍に成長しているが、車載ネットワークでの使用率はまだ低く今後の成長が期待できるという。

2020〜2021年には最大10Gbpsの通信が可能な新しい規格が普及し、コネクテッドカーや自動運転レベル3(条件付き運転自動化)以上の普及によって市場規模は拡大するという。2025年の予測では、2017年比36.5倍の511億円に到達する。

■【まとめ】今後拡大する市場に注目せよ

自動運転システムの実用化に伴って拡大する市場は複数ある。5Gやイーサネットのほか、センサーやパーツなどが挙げられるが、新たなサービスが生まれることで新たに形成される市場もある。特に業界関係者は今から注目しておく必要があるだろう。

【参考】関連記事としては「AI自動運転やMaaS、ライドシェアなどの将来市場規模予測10選」も参照。


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