トヨタ系2018年4〜6月期の決算まとめ デンソー、通期利益3000億円超に上方修正 各社自動運転開発に邁進

8社中4社が増収増益


トヨタ自動車グループ主要8社の2019年第1四半期(2018年4〜6月期)の決算が出揃った。第1四半期は4社が最終増益になるなど好調で、通期予想を上方修正する企業も出てきた。先行投資の拡大や為替相場などを背景に2019年の通期予想は5社が最終減益を見込んでいるが、このまま好調に推移すれば自動運転技術をはじめ増大する研究開発費をいかに吸収していくかに関心が集まりそうだ。

■デンソー:通期の売上・利益ともに上方修正

デンソーの第1四半期決算発表で、2019年通期予想を上方修正し、売上収益を800億円増の5兆4000億円、当期利益を130億円増の3030億円とした。

第1四半期は車両の生産増加や拡販、2017年に子会社化したデンソーテンとTDモバイルの影響などにより、売上収益が前年同期比14.3%増の約1兆3312億円、親会社の所有者に帰属する四半期利益(以下四半期利益)は同0.8%増の約773億円と増収増益となった。日本国内においても車両の生産増加やADAS(高度運転支援システム)などの予防安全製品の装着率拡大が増収要因となった。

また、デンソーは外部企業のM&A(合併・買収)による技術力獲得の可能性やリコーとの共同開発によるステレオカメラ開発など自動運転分野の研究開発に注力しており、今後の動きにも注目が集まりそうだ。

【参考】デンソーのM&Aの動きについては「デンソー、M&Aで自動運転技術を獲得へ ベンチャー投資にも積極姿勢|自動運転ラボ 」も参照。デンソーのステレオカメラについては「リコーとデンソー、カメラでの路面解析で新技術 AI自動運転に活用期待|自動運転ラボ 」も参照。デンソーの決算については同社の「決算ページ」も参照。

■アイシン:開発費増大も売上伸びて増益

アイシン精機は、売上収益が同9.9%増の約1兆79億円、四半期利益が同27.4%増の約401億円と躍進。トランスミッション(AT)の販売台数が10.4%増加したほか、エンジン関連やブレーキ関連など自動車部品全体が数字を伸ばしている。営業利益は償却費や研究開発費などの固定費増加による減益要因があるものの売上増加などにより増益となり、同期の業績を勘案して上半期予想を上方修正した。

【参考】アイシン精機は2018年7月から乗り合い送迎サービス「チョイソコ」の実証実験を開始するなど新しい動きも見せている。チョイソコについては「トヨタ系アイシン精機、スギ薬局とライドシェアサービス「チョイソコ」開始へ|自動運転ラボ 」も参照。アイシン精機の決算については同社の「決算ページ」も参照。

■ジェイテクト:ステアリングなどの販売が増加

ジェイテクトは、売上高が同12.1%増の約3764億円、四半期純利益が同22.3%減の約126億円の増収減益の状況。日本を中心にステアリングやベアリングの販売が増加するなど機械器具、工作機械で伸びを見せたが、四半期純利益は前年同期に段階取得に係る差益を計上したため減益となった。近況としては、自動運転向けの電動パワーステアリングシステムなどを発表している。

【参考】ジェイテクトの新パワステについては「トヨタ自動車系ジェイテクト、自動運転対応の電動パワステお披露目|自動運転ラボ 」も参照。ジェイテクトの決算については、同社の「決算ページ」も参照。

■豊田通商:新興国での資源価格持ち直しも好影響

豊田通商は、収益が同4.8%増の約1兆6501億円、四半期利益が同26%増の約467億円となった。日本国内の雇用環境の改善に伴う消費の拡大に加え、堅調な設備投資や輸出拡大などにより緩やかな回復が継続したことや、新興国経済において資源価格の持ち直しなどによる市況の改善に加え、低インフレ・低金利を背景に安定した成長が継続されたことを要因としている。

なお、同社は自動運転の実証実験において、トラックの隊列走行実験で主導的立場を担っており、この分野での飛躍にも期待が寄せられる。

【参考】トラックの隊列走行については「トヨタ退職後に起業…先進モビリティと豊田通商の自動運転追従トラックとは?|自動運転ラボ 」も参照。豊田通商の決算については同社の「決算ページ」も参照。

■先行投資の吸収・回収、早く進む可能性

米国の保護主義的政策や為替の影響など変動要因は残るものの、このまま好調に推移すれば通期予想を上方修正する動きも増え、研究開発費をはじめとした先行投資の吸収・回収も早く進みそうだ。

【参考】トヨタを始め多くの企業が自動運転開発に巨額の費用を投じている。最近の動向については「日本の研究開発費トップ10、全企業がAI自動運転に関与|自動運転ラボ 」も参照。







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