自動運転OS(基本ソフト)「Autoware」を開発しているティアフォー。その創業者である加藤真平氏が、2021年4月21日に初開催するオンラインサミット「Tier IV SUMMIT 2021」で何を語るかに注目が集まっている。
自動運転ラボは加藤氏がオンラインサミットで語る内容をこのほど入手し、台湾のEMS/ODM(設計製造受託)大手FoxconnのEV(電気自動車)プラットフォーム「MIH」にAutowareが本格採用されることについて述べる予定であることが判明した。
MIHはEV製造のためのハードウェアのオープンプラットフォームで、Autowareは自動運転を実現するためのオープンソースのソフトウェアだ。この両方が一体的に提供されることにより、自動運転EVをつくりたい企業が容易に車両を製造・量産できるようになる。
【参考】オンラインサミットには無料で参加でき、申し込みは「https://tier4summit2021.peatix.com/」から可能だ。Tier IV SUMMIT 2021の公式サイトは「https://tier4summit.com/」となっている。関連記事としては「業界人必見!自動運転OS開発のティアフォーが初サミット 無料オンライン開催」も参照。
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— 自動運転ラボ (@jidountenlab) April 1, 2021
■自動車産業、EV産業の構造が大きく変わる
現在の自動車業界において、非自動車メーカーが完成車を製造しようとすると、デザイン・パーツ・ソフトウェア・インテリアなどのさまざまな要素をそれぞれ個別に発注・調達し、車両の組み立てやシステムのインテグレーションも別の企業に委託しなければならない。
しかしMIHとAutowareが連携してハードとソフトのインテグレーションサービスを一元的に提供するようになれば、自動運転EVを製造したい企業はこうした膨大な手間や時間をかけず、車両をつくることが可能になる。
要は、自動運転EVを製造したい企業は車両のコンセプトやデザインを決め、あとはMIHとティアフォー側に大部分を委託すればいいわけだ。こうした「ODM」(Original Design Manufacturing)によって、自動車産業、EV産業の業界の構造は全く新しいものへと変貌する。
■Autowareが量産車に続々と搭載されるという未来
近年はIT企業が自動運転車やEVの領域に続々と参入し始めている。アメリカで言えば、AppleやWaymo、中国で言えば百度(Baidu)や小米(Xiaomi)などだ。
こうした企業は自社で自動車の製造ラインを有しているわけではなく、現在は自動運転車やEVの製造を他社に委託するか、既存の完成車を改造して使用することなるが、今後はMIH×ティアフォーのようなオープンプラットフォームを有するODMへ生産委託することが主流になっていくことが考えられる。
こうした将来が訪れるとすれば、 Autowareを開発するティアフォーにとって、MIHとの連携のメリットは非常に大きい。さまざまな企業が開発する量産車にAutowareが続々と搭載されることになっていくからだ。
MIHとの連携により、「日の丸OS」とも言えるAutowareの世界での利用がどこまで広がっていくのか、楽しみだ。
(Tier IV SUMMIT 2021は、自動運転ラボを運営する株式会社ストロボが制作・
【参考】関連記事としては「自動運転OS「Autoware」、FoxconnのMIHで採用か ティアフォーが開発」も参照。