米電気自動車(EV)大手テスラのイーロン・マスク最高経営責任者(CEO)はかつて「2019年内」にフル自動運転機能を限定公開できる見通しを語ったが、2020年に入って早2週間が経とうとしているが、限定公開したとの発表はまだない。イーロン・マスクCEOの発言は嘘だったのだろうか。
■黒字化で期待感も大きかったが…
「フル自動運転(Full Seft Driving)」という単語をそのまま捉えるなら、自動運転レベルで最上位となる「5」(完全運転自動化)の機能のことを指すことになる。そしてレベル5と言えば、高速道路でも一般道でも完全無人の自動運転ができる水準を指す。
ただ、いま各社が技術開発で凌ぎを削っているのはレベル3とレベル4だ。その2つの段階を通り越していきなりのレベル5は、さすがのイーロン・マスク氏でも2019年内には難しかったということになろうか。
テスラは2019年10月、2019年内にフル自動運転機能を「アーリーアクセス」として限定公開できる見通しであることに触れた。そのときは7〜9月の決算が大方の予想を覆す形で黒字となったことから、本当にイーロン・マスク氏ならやってのけてしまうかも、という期待感も大きかった。
ただ今回は結果として、水面下で既にフル自動運転機能を提供している可能性はもちろんあるが、イーロン・マスク氏の発言通りにはならなかったようだ。ちなみにイーロン・マスク氏は過去に「2020年半ばまでに完全な自動運転車を100万台以上生産する」とも述べている。
【参考】関連記事としては「イーロンマスク発言が本当なら、年内に”フル自動運転”リリース 米EV大手テスラ」も参照。
■発言は置いておいて、技術力には高い評価の声も
ただ、イーロン・マスク氏の発言がその通りにならなかったとみられるとは言え、テスラの自動運転技術が着実に向上していることは事実だ。2019年には駐車した車両を呼び寄せる自動運転技術「Smart Summon(スマート・サモン)」を発表しており、トラブルが起きたとの声も聞かれるが、その技術力を評価する声も多い。
2020年、テスラは新たにどのような発表をするのか。テスラの公式発表に加え、イーロン・マスク氏のTwitterアカウント(https://twitter.com/elonmusk)にも引き続き注目していきたい。
【参考】関連記事としては「自動運転、テスラの戦略まとめ スマート・サモン機能導入!ロボタクシー構想も」も参照。