自動運転時代を前に、高速道路の「アップデート」が必要なわけ

「道路は国家百年の計」、将来のあるべき姿は



自動運転はまず高速道路から始まる。高速道路は歩行者やサイクリストがレーンに入ってくることが基本的にはなく、自動運転の難易度が一般道に比べて低いからだ。現にホンダが2020年夏に販売予定の自動運転車も、まず高速道路での使用を前提にしたシステムを搭載する予定だ。







こうした概念は「ODD」という単語で示される。「Operational Design Domain」という英語の略語で、日本語では「運行設計領域」と訳される。自動運転システムを作動できる走行環境の条件のことを指し、ODDにおける道路条件として最も容易なのが、公道においては高速道路とされている。

■なぜ高速道路のアップデートが必要なのか

このように自動運転はまず高速道路でスタートするが、そのためには高速道路が「アップデート」される必要がある。自動運転の手法によっては路車間通信(Vehicle-to-Infrastracture)が求められ、高速道路側にセンサーや通信設備を設置する必要があるからだ。

また自動運転車と手動運転車が混在する場合には「自動運転専用レーン」を設ける案も浮上している。これは、自動運転車が「流れにのる」ことができない場合、手動運転のクルマに何らかの影響を与える可能性が懸念されることも背景にある。いずれは専用レーンは必要無くなるかもしれないが、当初は設置の必要があるかもしれない。

こう考えると、来たる自動運転時代に備えて高速道路の「アップデート」の必要が出てくることもうなずける。

2020年1月7〜10日の日程で開催された世界最大規模の技術見本市「CES 2020」でも、こうした必要性が注目された。米商務省のウィルバー・ロス長官もCES 2020における米FOX Businessのインタビューで、自動運転時代を想定した高速道路のアップデートの必要性に触れている。

■日本で自動運転専用レーン導入はあるのか

事実、日本政府も「自動運転専用レーン」の導入を少なからず検討している。国土交通省道路局が推進する「道路政策の質の向上に資する技術研究開発」の研究内容から、その点についてを垣間見ることができる。

具体的には「道路政策の質の向上に資する技術研究開発【研究状況報告書(2年目の研究対象)】」という資料の中で自動運転レーンを導入したケースについて触れられている。関心がある人は「http://www.mlit.go.jp/road/tech/hyouka/h30/29-2_houkoku.pdf」から閲覧してみてほしい。

「道路は国家百年の計」と言われることがある。将来を見据えた建設計画や設置計画が必要だ。自動運転時代を前に、いま高速道路の将来のあるべき姿が問われている。


記事監修:下山 哲平
(株式会社ストロボ代表取締役社長/自動運転ラボ発行人)

大手デジタルマーケティングエージェンシーのアイレップにて取締役CSO(Chief Solutions Officer)として、SEO・コンテンツマーケティング等の事業開発に従事。同業上場企業とのJV設立や複数のM&Aによる新規事業開発をリードし、在任時、年商100億から700億規模への急拡大を果たす。2016年、大手企業におけるデジタルトランスフォーメーション支援すべく、株式会社ストロボを設立。設立3年で、グループ4社へと拡大し、デジタル系事業開発に従事している。2018年5月、自動車産業×デジタルトランスフォーメーションの一手として、自動運転領域最大級メディア「自動運転ラボ」立ち上げ、業界最大級のメディアに成長させる。講演実績も多く、早くもあらゆる自動運転系の技術・会社の最新情報が最も集まる存在に。
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