ラストワンマイル物流へ自律走行ロボを!NEDOが主導し実証実験

参画事業者の取り組みの一部を紹介



国立研究開発法人「新エネルギー・産業技術総合開発機構」(NEDO)は2020年9月22日までに、いわゆる「ラストワンマイル物流」に自動走行ロボットの導入をするため、政府の予算で実施する事業を通じ、技術開発に着手すると発表した。







この事業の名称は「自動走行ロボットを活用した新たな配送サービス実現に向けた技術開発事業」。技術開発のための実証実験は民間企業が担う形で、NEDOは6月末にかけて実施事業者を公募していた。

11月以降、ラストワンマイル物流において「遠隔・非対面・非接触」を実現することを目的に、参画事業者12社がそれぞれテーマを掲げて実証実験に取り組む。中には自動運転・自動走行技術を活用した取り組みも多く、そのうち5社の取り組みを紹介しよう。

■パナソニック:住宅街向け小型低速ロボットによる安全・安定なラストマイル配送サービスの実現

パナソニックは、神奈川県藤沢市の「Fujisawaサスティナブル・スマートタウン」にて、ロボットを用いた自動配送サービスの技術開発や異業種パートナー企業と連携したサービス実証を行う。

■QBIT Robotics:大規模オフィス向け異種ロボット連携による館内配送サービスの実現

ロボティクス・サービス・プロバイダーであるQBIT Roboticsは、森トラストが所有・管理しているビルで複数の自動走行ロボットを活用し、比較的小さい荷物を自動配送する実証を行う。

ロボット活用による人的リソース削減や、人的接触低減による感染リスク低減の可能性について検証する。

■アイシン精機:大型商業施設向け店舗から駐車場への商品自動配送サービスの実現

トヨタオートモールクリエイトが運営するショッピングセンター「カラフルタウン岐阜」において、食品などの自動配送システムの実証実験を行なう。

実証に用いられるのは、アイシン精機が2015年から開発を進めるパーソナルモビリティ「ILY-Ai」で、技術の向上と事業性の確認が行う。

■ソフトバンク/佐川急便:オフィス街向けオフィスビル内外配送サービスの実現

ソフトバンクと佐川急便は2社共同で、自動走行ロボットによるオフィスビル内外配送サービスの実証実験を行う。

「屋外」では竹芝エリアの公道で走行し、荷物の温度変化や段差による衝撃について検証する。「屋内」ではソフトバンクの新本社「東京ポートシティ竹芝オフィスタワー」にて、館内エレベーターとの連携システムにより、自動走行ロボットがエレベーターに乗り降りし異なるフロアへ荷物を配送する実証実験を行う。

■安倍前首相も自動配送ロボットの早期導入を促す発言

低速・小型の自動配送ロボットを導入することについては、2020年5月に開催された未来投資会議で安倍晋三首相(当時)が、新型コロナウイルス対策として早期実現を促す発言をしている。

具体的には、「宅配需要の急増に対し、人手を介さない配送ニーズが高まる中、低速・小型の自動配送ロボットについて、遠隔監視・操作の公道走行実証を年内、可能な限り早期に実行する」と発言し、関係各大臣に検討を具体的に進めるよう指示している。

この発言を受け、ラストワンマイル物流で自律走行ロボットの本格導入が進むという期待感が一気に高まった。

■【まとめ】自動走行技術の導入の機運が物流業界でも高まっている

世界的に感染拡大した新型コロナウイルスの問題により、自動走行技術の導入の機運が物流業界でも高まっている。今回のラストワンマイル物流における実証実験でどのような成果が出るか、注目が集まる。

【参考】関連記事としては「ラストワンマイル系の物流ソリューション・サービスまとめ」も参照。

記事監修:下山 哲平
(株式会社ストロボ代表取締役社長/自動運転ラボ発行人)

大手デジタルマーケティングエージェンシーのアイレップにて取締役CSO(Chief Solutions Officer)として、SEO・コンテンツマーケティング等の事業開発に従事。同業上場企業とのJV設立や複数のM&Aによる新規事業開発をリードし、在任時、年商100億から700億規模への急拡大を果たす。2016年、大手企業におけるデジタルトランスフォーメーション支援すべく、株式会社ストロボを設立。設立3年で、グループ4社へと拡大し、デジタル系事業開発に従事している。2018年5月、自動車産業×デジタルトランスフォーメーションの一手として、自動運転領域最大級メディア「自動運転ラボ」立ち上げ、業界最大級のメディアに成長させる。講演実績も多く、早くもあらゆる自動運転系の技術・会社の最新情報が最も集まる存在に。
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