ウェイモ EUも東京も2027年ロボタクシー開始へ マドリードでも自動運転タクシー参入

有償化はまだ先



Google系Waymoが展開している自動運転タクシー=出典:Waymo公式ブログ

米Google系の自動運転開発企業ウェイモ(Waymo)が、スペインの首都マドリード周辺で自動運転ロボタクシーのサービスを2027年に始めると発表した。同社にとってスペイン初の展開であり、東京で目指す開始時期と同じ2027年になる。

10月20日の発表によると、ジャガー(Jaguar)の電気自動車I-PACEを数日以内に市街地で走らせる。当面の試験ではセーフティドライバーが運転席に座り、2027年のサービスは無人での運行を目指す。スペイン交通総局DGTの自動運転試験の枠組みの下で進める。一方、中国の自動運転企業WeRide(ウィライド)と米配車大手ウーバー(Uber)は先月、DGTから国内初の自動運転レベル4の旅客車両の許可を得た。この許可は試験段階のものだが、年内にマドリードで商用サービスを始める見込みだ。


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■ウェイモがマドリード参入 スペイン初の自動運転ロボタクシーが2027年に始まる

ウェイモが10月20日に明らかにしたのは、マドリード地域で完全自動運転の配車サービスを2027年に始める計画だ。スペインでの展開は初めてとなる。公式発表では、最初の乗客を2027年に迎えることを目標に掲げた。

ウェイモにとって、EU(欧州連合)では2番目の地域にあたる。最初の地域はドイツのミュンヘンで、同社はロンドンでも年内の開始を目指している。

現時点では、有償の乗車サービスは提供していない。ジャガーの電気自動車I-PACEが数日以内にマドリードの街に登場し、まずは手動で走行する。続いて、セーフティドライバーの監視の下で技術検証を行い、そのうえで自動運転の試験に進む。現地報道によると、マドリード市街のほか、アルコベンダスやヘタフェも初期の対象エリアとして挙がっている。

【自動運転ラボの視点】
ウェイモは都市ごとに試験から商用化へ段階を踏む。マドリードと東京はいずれも2027年の開始を目指しており、両市場で規制対応がどこまで進むかが、同社の海外展開のスピードを左右しそうだ。

【参考】関連記事としては「Waymoついにロンドンで自動運転テスト、日本は遅れ続けるのか」も参照。


■セーフティドライバー同乗から無人へ ウェイモの段階的な試験計画

ウェイモは試験を段階的に進める。スペインではDGTの自動運転試験の枠組みの下で公道を走り、国や自治州、市の当局と協議しながら、商用運行に必要な許可の取得を目指す。現地の商用パートナーと組み、運用拠点にも投資すると説明している。

試験は昼夜を問わず、週7日行われる可能性もあるという。

安全性について、同社は4億km超の自動運転走行のデータをもとに、重傷以上の事故が人間のドライバーに比べて95%少ないと説明している。あくまで同社が集計した数字である。

実績も積み上がっている。同社によると、米国の15超の都市で運行し、週50万件超の有償乗車がある。累計では2,000万件を超えた。


■WeRideとウーバーが先行 マドリードの競争は年内に動き出す

マドリードで先に動いたのは、WeRideとウーバーだ。9月10日、DGTから国内初となる自動運転レベル4の旅客車両の許可を得たと発表した。車両の運行は、車両運行会社AVOMOが担う。

許可の対象は、WeRideのロボタクシー車両GXR 20台。車内にセーフティオペレーターが同乗し、地図データの作成やルートの検証、運行に向けた試験を進める。許可は試験段階のもので、商用サービスの開始は年内を目指す。ウーバーとWeRideの提携では、マドリードは計画する15都市のうち4番目にあたる。

これに対し、ウェイモの目標は2027年で、月までは示していない。年内を狙うWeRideと2027年のウェイモとでは、計画上の開始時期に数か月から1年ほどの差がある。ただし、どちらも目標だ。WeRideの商用開始も規制や運用の節目を満たすことが前提であり、ウェイモも商用に必要な許可の取得はこれからになる。

ウーバーはウェイモとも組んでいる。米国のオースティンでは、2025年3月からウーバーのアプリでウェイモのロボタクシーを呼べる。車両の清掃、整備、充電は、ウーバーが委託するAVOMOが担う。つまりAVOMOは、マドリードではWeRide、米国ではウェイモの車両運用を担うことになる。

【参考】関連記事としては「欧州初の自動運転レベル4承認へ WeRideとUberがスペインで」も参照。

■東京でも2027年 ウェイモとGO・日本交通の計画はどこまで進んだか

ウェイモは東京でも2027年の商用サービスを目指す。9月15日、タクシー配車アプリのGO、タクシー大手の日本交通と共同で、完全無人の商用サービスの準備で合意したと発表した。小規模な車両数から始め、約100台まで広げる計画だ。規制当局の承認と技術の検証が前提になる。開始時期は2027年中としており、月は示していない。

3社は2024年12月に提携を発表し、日本交通の乗務員がウェイモの車両で東京の街を走ってきた。現在は乗務員が同乗する形で、狭い道路や交通量の多い環境への対応を進めている。完全無人のサービスが実現すれば、日本初になる。

競争の構図は日本にも及ぶ可能性がある。WeRideのCEOは8月、ロイターの取材に対し、豪州、韓国、日本、東南アジアを新市場の候補として検討していると述べた。日本での具体的な計画までは語っていない。WeRideが日本に参入すれば、マドリードと同様の競争が東京での起こる可能性がある。

【参考】関連記事としては「Googleの自動運転タクシー、東京で来年展開か」も参照。

Googleの自動運転タクシー、東京で来年展開か

■マドリードも東京も2027年 ウェイモの海外展開の行方

ウェイモは2027年、マドリードと東京で自動運転ロボタクシーの商用化を目指す。どちらも計画段階であり、許可の取得と試験の積み重ねが前提だ。

マドリードでは、年内を目指すWeRideとウーバーが先行する。ウェイモは追う側に回る。一方の東京では、日本初の完全無人タクシーを目指す立場にある。

2027年は、日本の街で自動運転タクシーが走り出す時期の目安にもなりそうだ。マドリードでの競争と東京での準備がどう進むか、今後の動向に注目したい。

記事監修:下山 哲平
(株式会社ストロボ代表取締役社長/自動運転ラボ発行人)

大手デジタルマーケティングエージェンシーのアイレップにて取締役CSO(Chief Solutions Officer)として、SEO・コンテンツマーケティング等の事業開発に従事。JV設立やM&Aによる新規事業開発をリードし、在任時、年商100億から700億規模への急拡大を果たす。2016年、大手企業におけるデジタルトランスフォーメーション支援すべく、株式会社ストロボを設立し、設立5年でグループ6社へと拡大。2018年5月、自動車産業×デジタルトランスフォーメーションの一手として、自動運転領域メディア「自動運転ラボ」を立ち上げ、業界最大級のメディアに成長させる。講演実績も多く、早くもあらゆる自動運転系の技術や企業の最新情報が最も集まる存在に。(登壇情報)
【著書】
・自動運転&MaaSビジネス参入ガイド
・“未来予測”による研究開発テーマ創出の仕方(共著)




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