ウェイモ 米3都市で一般向け無人ロボタクシーサービスを開始 日本はいつ?

日本は遅れが目立つ



出典:Waymo社プレスキット

米Google系の自動運転開発企業ウェイモ(Waymo)が10月14日、米テキサス州サンアントニオ、カリフォルニア州サンディエゴ、フロリダ州タンパの3都市で、完全無人の自動運転ロボタクシーを一般に全面開放した。Waymoアプリをダウンロードすれば利用できる。

ウェイモは東京でも、タクシー配車アプリで日本最大手のGOとタクシー大手の日本交通と組み、2027年中の完全無人タクシー開始を目指している。米国での全面開放は、日本の自動運転タクシーの行方を占う材料になる。


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■Google系ウェイモ、米3都市で無人タクシーを全面開放 誰でも乗れる体制に

ウェイモは10月14日の発表で、サンアントニオ、サンディエゴ、タンパの3都市では、アプリをダウンロードすれば誰でも完全自動運転の無人タクシーを呼べるようになったと明らかにした。サンアントニオは2026年2月の開始時から、安全ドライバーを乗せない運行と報じられた。タンパも9月1日の開始時点で、運転席は空だった。

3都市の利用者は、すでに数十万人に達している。ただし、この数字は3都市の合計で、都市別の内訳は示されていない。ビーチへの外出、ホッケーの観戦、サンアントニオの観光名所リバーウォーク、日々の買い物と、使われ方は幅広いという。

発表には、現地の関係者の声も添えられた。サンディエゴでは高齢者支援団体のボブ・ケリー代表が、移動手段の確保は高齢者の自立の支えだと語った。タンパでは視覚障害者を支援する団体の理事長スコット・ヤング氏が、運転できなくなった人にとって移動の自由を取り戻す手段になると述べた。

日本のタクシー業界にとっても、他人事ではない。ウェイモは東京で、GOと日本交通と組んだ無人タクシーの準備を進めているためだ。米国の全面開放は、東京の計画にとっても先行事例になる。


【自動運転ラボの視点】無人のロボタクシーが招待制を終え、誰でも呼べる段階に入った。2027年の東京開始を目指すウェイモにとって、米国での全面開放は、日本の許認可と利用者の信頼を得るための試金石になる。

■サンアントニオ国際空港の発着も全解放

サンアントニオでは、国際空港との発着も全員に開放された。空港への乗り入れ自体は2026年3月31日に先行して始まっていたが、当時は利用できる人が限られており、誰でも使える状態ではなかった。

3月31日の乗り入れは、ウェイモにとって4つ目の主要空港で、テキサス州内では初の空港サービスだった。先行していたのは、フェニックスのスカイハーバー国際空港と、サンフランシスコ国際空港、サンノゼ国際空港だ。

サンアントニオ市航空局の空港担当ディレクター、ジーザス・サエンツ氏は、空港で完全自動運転の乗車が受けられることを、ウェイモと市、旅行者にとっての重要な節目と位置づけた。中心部へ向かう訪問者と、早朝便に乗る地元住民の双方に、新しい選択肢になるという。


テキサス州でのウェイモの展開は、サンアントニオが初めてではない。2025年3月にオースティンで、米配車大手ウーバー(Uber)のアプリ経由で完全自動運転の乗車を始めた。2026年2月24日にはダラス、ヒューストン、サンアントニオで招待制の提供を始め、同州内の展開は4都市に広がっている。

一方、米EV大手テスラ(Tesla)がオースティンでロボタクシーを始めたのは2025年6月で、ダラスとヒューストンでの開始は2026年4月だった。州内では、いずれもウェイモが先に動いている。

■サンディエゴとタンパ 先行開始から約6週間で全面開放

サンディエゴとタンパが招待制で先行したのは9月1日。全面開放までは約6週間だった。ウェイモは同日、デンバーを加えた3都市で最初の一般利用者の受け入れを始めており、完全自動運転の提供都市は14に達していた。

両市は2026年7月に従業員限定の完全自動運転を始めている。7月の従業員向け、9月の招待制、10月の全面開放という3段階を、3か月ほどで進めたことになる。

先行時の提供エリアは、サンディエゴが約50平方マイル、タンパも約50平方マイルだった。サンディエゴは、ミニバン型の新型車Ojai(オハイ)だけで運行する。ウェイモの第6世代の自動運転システムを大規模に展開するのは、デンバーとサンディエゴ、タンパが初めてという。

フロリダ州のタンパでは、テスラも2026年7月21日からロボタクシーの提供を始めており、同じ都市でウェイモと並走する形になっている。

■無人走行の安全性は?

無人運行の安全性を測る材料として、第三者の調査がある。米道路安全保険協会(IIHS)は2026年7月23日、ウェイモの無人車両は、人間の運転に比べて走行距離あたりの事故が全体で68%、負傷を伴う事故で81%少なかったと公表した。

ただし対象は2021年から2024年のサンフランシスコ、フェニックス、ロサンゼルス、オースティンで、今回の3都市は含まれない。オースティンでは事故率が人間の運転より4%高く、データ数が少ない点も指摘されている。IIHSは、連邦の事故データの集め方が、大規模な拡大を継続して監視には十分でないとも述べた。

現場では課題も出ている。サンアントニオでは2026年4月20日、無人の空車が冠水した道路に入り、近くの川に流された。ウェイモは同市の運行を止め、その停止は同社として最長とみられると報じられた。4月30日には、全車に当たる最大3,791台を対象に自主リコールを米道路交通安全局(NHTSA)へ届け出た。

リコールの原因は、高速の道路で冠水を検知しても、止まらずに減速するだけの場合があった点だ。完全な対策ができるまでの間、ウェイモはソフトウエアの暫定更新と運行範囲の制限で、冠水の危険が高い条件を避けている。

5月下旬にも、大雨に備えてサンアントニオ、ヒューストン、ダラス、オースティンなどで運行を一時停止した。サンアントニオの運行はその後に再開され、今回の全面開放に至った。

無人のロボタクシーは、平均的な安全性では良好な数字が出る一方、天候のような個別の条件への対応が弱点になりうる。日本でも、無人運行への信頼は事故の少なさだけでなく、こうした想定外の場面での対応で決まっていくだろう。

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■ウェイモ2027年の東京デビューの課題

ウェイモは2026年9月15日、GOと日本交通との戦略的な提携を発表した。目標は、2027年中に東京で、運転手が乗らない自動運転レベル4の完全無人タクシーを商用化することだ。国内初の取り組みになる。

道路交通法や道路運送法などに基づく許認可を取得した後、まずウェイモの社員向けに試験運用を行い、その後に一般の利用者へ広げる計画だ。台数は段階的に増やし、最終的に100台規模を目指す。すでに東京都内の公道では、数十台の車両が試験走行している。この段取りは、サンディエゴやタンパが7月の従業員向けから9月の招待制、10月の全面開放へ進んだ流れと重なる。

配車は、GOとウェイモのアプリで行う予定だ。国内の利用者はGO、海外からの旅行客などはウェイモのアプリを使う想定という。料金は、タクシーの自動認可運賃に基づいて設定される見込みだ。

日本の自動車メーカーも動いている。国内自動車大手のトヨタ自動車は2025年4月30日、ウェイモと自動運転の開発と普及に関する戦略的パートナーシップで基本合意した。新しい自動運転車のプラットフォームを共同で開発し、個人が所有する車向けの自動運転技術の開発も加速させるという。

ウェイモの完全自動運転の提供は、9月1日時点で14都市に広がった。車両は4,000台を超え、乗車は週50万回を超える。共同CEO(最高経営責任者)のテケドラ・マワカナ氏は、2026年末までに週100万回を目標に掲げている。

米3都市の全面開放は、招待制で台数と提供エリアを絞り、運行の質を確かめてから全員に広げるという手順が、実際に機能していることを示した。一方で、洪水リコールのように、天候への対応が弱点になりうることも明らかになった。2027年の東京デビュー可否は、許認可の取得と並んで、豪雨や冠水が起きる日本の道路環境でも、無人運行を安定して続けられるかにかかっている。

記事監修:下山 哲平
(株式会社ストロボ代表取締役社長/自動運転ラボ発行人)

大手デジタルマーケティングエージェンシーのアイレップにて取締役CSO(Chief Solutions Officer)として、SEO・コンテンツマーケティング等の事業開発に従事。JV設立やM&Aによる新規事業開発をリードし、在任時、年商100億から700億規模への急拡大を果たす。2016年、大手企業におけるデジタルトランスフォーメーション支援すべく、株式会社ストロボを設立し、設立5年でグループ6社へと拡大。2018年5月、自動車産業×デジタルトランスフォーメーションの一手として、自動運転領域メディア「自動運転ラボ」を立ち上げ、業界最大級のメディアに成長させる。講演実績も多く、早くもあらゆる自動運転系の技術や企業の最新情報が最も集まる存在に。(登壇情報)
【著書】
・自動運転&MaaSビジネス参入ガイド
・“未来予測”による研究開発テーマ創出の仕方(共著)




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