テスラ、大阪でも自動運転テスト実施か

FSD導入に向け実証強化中



FSD(Supervised)の日本国内導入に向け、公道実証を重ねるテスラ。実証開始から1年が経過したが、進捗状況が気になるところだ。


当初は東京近郊を中心に走行していたものと思われるが、求人情報から察するに、実証走行エリアは大阪まで拡大されている様子だ。

あらゆる走行環境を学習し、国内全域でFSDが利用可能になる日はいつ訪れるのか。そして、発展形となるロボタクシーやレベル5技術が実装される日はいつ訪れるのか。

テスラの国内最新動向に迫る。

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■テスラの国内最新動向

横浜と大阪でテストドライバーを募集中

テスラの求人情報を拝見すると、現在横浜と大阪でテストドライバーの募集を行っているようだ。


▼横浜【テストドライバー】
https://hire-r1.mokahr.com/social-recruitment/tesla/100004135#/job/2ff19628-c033-4186-b330-639578af6b64
▼大阪【テストドライバー】
https://hire-r1.mokahr.com/social-recruitment/tesla/100004135#/job/d1102a70-18c7-47e7-b7be-97c7a7a8b448

テスラジャパンは2025年8月、FSD(Supervised)の技術テスト走行・学習を日本国内で本格的にスタートしたと発表している。

当時のアナウンスでは、FSD v13の技術を活用して都市部の複雑な道路環境や高速道路での性能を検証する――としており、走行エリアについては特に触れられていなかった。

ただ、添付された動画には、横浜のみなとみらいエリアをハンズオフ状態で走行する様子が収められている。察するに、本社を構える東京近辺でまず実証を重ねる算段なのだろう。都内での実証は王道路線とも言える。


販売網の拡大で、国内データ収集も加速する?

後段で触れるが、日本法人の代表取締役社長に橋本理智氏が就任してからテスラジャパンは販売攻勢を強めており、現在テスラストアは23都道府県に拡大している。全国ネットワークの構築が急ピッチで進められているのだ。

あくまでストアではあるものの、社員が集い、データのやり取りを行うことができる拠点と捉えれば簡易的な実証拠点にも活用できるのではないだろうか。

テストドライバーの採用拠点は不明だが、待遇は正社員で、職種はAI・ロボティクス、部署はEngineering and R&Dとなっている。おそらく所属は本社だが、東京本社から大阪に毎日通うのは現実的でなく、大阪に新たな拠点を設けたか、あるいは既存のストアを活用するか……といった感じではないだろうか。

いずれにしろ、広域で安定したレベル2機能を提供できる下地が整わなければFSDを展開できない。販売網の拡張でテスラオーナーが全国に広がり、国内広域のデータ収集が可能になった。こうした基盤を最大限生かしつつ、有人ドライバーでFSDの安全性を検証し、いざ実装へ……という流れが見えてきたのではないだろうか。

テストドライバーに求められる要件は?

要綱によると、テスラの車両オペレーターは、ソフトウェアの各改訂を通じて改善点・リグレッション(性能・挙動の退行)の特定を担当する。客観的な判断力、優れた組織力、細部への注意力、主体性を備えた人が理想としている。

同ポジションでは、公道、テストトラック、プルービンググラウンドでの車両テストのため、国内外へ柔軟に出張対応できることが求められる場合がある。夜勤(16:00〜翌1:00)もあるようだ。

優良な運転経歴を有し、安全な運転習慣と優れたルート選定・ナビゲーション能力があること、日本語がビジネスレベルであること、英語は中級〜上級程度(読解・会話)であること、十分なPCスキルを有すること、高度な運転支援技術および関連センサーに習熟し、ブレーキやパワーステアリングなどの車両システムに関する知識を有すること、プロトタイプ車両でのテスト走行経験、またはそれに順応できること、マルチタスク・優先順位付けが可能で、スピード感の高い環境下で業務を遂行できること――などが求められる。

業務は、指定されたエリアにおいてエンジニアリング車両を運転し、データ収集を行う。1日あたり5〜8時間程度の業務だ。

各シフトで収集したデータ品質を分析し報告するほか、フィードバックを行い、データ収集を最適化するためのプロセス改善を提案する。

担当エリアを調査し、高度な運転支援技術の検証に適したシナリオを含むルート設計も担う。最新の運転支援ソフトウェアや関連する車両機能について学習し習熟することも必須となる。テスト仕様書に基づいて公道テストを実施し、個別リクエストに応じたシナリオへの都度サポートを提供する。

ただ安全に配慮して運転し続ければよい――というわけではなく、テスラの機能をしっかりと理解し、効率的・効果的なデータ収集に向けた提案なども行う必要があるようだ。

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テスラ日本法人は急成長中

テスラの日本法人は2010年に設立された。当初は取り扱い車種がロードスターのみだったため、販売は年間数台レベルだったようだ。

2014年にモデルS、2016年にモデルXがラインアップに加わり、コンパクトセダンモデル3の納車が始まった2019年に初めて年間販売台数1,000台を突破した。

その後、5,000台規模で推移していたが、2024年に橋本氏がテスラジャパン代表取締役社長に就任すると、一気に攻勢が始まる。テスラストアを全国に次々と立ち上げ販売網を拡大し、2025年には約1万600台とほぼ倍増させた。

2026年はすでに1万台を軽く超えている。JATO ダイナミクスのデータによると、2026年上半期における外国車ブランドの車種別新規登録台数で、Model Yが首位に立ったという。

海外自動車メーカーとしては、年間3万台超を誇るメルセデス・ベンツやBMW、フォルクスワーゲンの3強に迫る勢いで、攻勢が続けば、2027年には首位争いに加わる可能性もありそうだ。

急激な増加に納車が間に合わずトラブルも起こっているようだが、納車拠点の開設にも力を入れており、販売網の拡大はまだまだ続きそうだ。

▼テスラ、日本全国でストアオープンを加速
https://prtimes.jp/main/html/rd/p/000000063.000038481.html

レベル2++は2027年度が濃厚?

FSD(Supervised)は、高速道路、一般道路を問わず広範なエリアでレベル2走行を可能にするADASだ。2026年8月時点で、北米やメキシコ、オーストラリア、ニュージーランド、韓国、オランダ、エストニア、デンマーク、ベルギーなど13カ国で使用することができる。

許認可の関係上、すべての国でハンズオフ運転が認められているわけではないが、高性能なレベル2を各国で実現している。

日本でもFSDは先行販売されているものの未実装で、現状はAutopilotの実装に留まる。テスラとしても、グローバル市場で主導権を握るため、早期にFSD提供エリアを拡大していく方針で、主要市場へのアプローチを強化しているものと思われる。

今後、大阪以外の主要都市や、ロケーションがまったく異なる農村地域などで実証する姿を見かけることになるかもしれない。

日本では、2027年度に日産×英Wayveがレベル2++を実用化する計画で、政府もこれに合わせ優良認定制度を創設するなど、社会実装・普及に向けた取り組みを推し進めている。

この流れを踏まえると、テスラのFSD国内実装は2027年度が濃厚となる。全域ハンズオフが可能になるかは不明だが、全域レベル2水準はほぼ間違いなくクリアし、実用化されるものと思われる。

あくまで運転支援機能だが、市街地における高精度なレベル2はADASのイメージを覆すものになりそうだ。

自動運転AIの実力、国が採点 レベル2++で「優良認定制度」

レベル2++の先には……

日本におけるFSD実装が待ち遠しいところだが、その先にはさらなる未来が広がっている。レベル4以上の自動運転化だ。

テスラは以前から、走行可能エリアを区別・設定せず、どこでも自律走行可能なレベル5を目指している。現行FSDのレベル2++が安全性を増せば、いずれはレベル5に到達する。

技術面、許認可面含めこのレベル5が実装される時期は未定だが、どこでも自律走行可能な自家用車が実現すれば、自家用車をはじめとするモビリティ市場にゲームチェンジが起こるのは必至となる。

テスラが現在北米で実施しているロボタクシー事業もその序章に過ぎない。テスラ車のすべてが自動運転化され、自家用車の概念が崩れ始めたとき、どのような世界となっているのか、未来のモビリティ社会に要注目だ。

テスラの「自動運転専用車」Cybercabのスペック公開 ハンドルなし219馬力

■【まとめ】2027年はテスラ飛躍の年に

テスラジャパンは2026年9月、ロボタクシー「Cybercab(サイバーキャブ)」を展示する「Cybercab Japan Tour」を東京・大阪・名古屋で実施中だ。

話題に事欠かないテスラ。来年は、FSD導入とともに輸入車ナンバーワンの座を勝ち取る飛躍の一年となるのかもしれない。

【参考】関連記事としては「テスラの自動運転機能(FSD)とロボタクシーを徹底解説」も参照。

記事監修:下山 哲平
(株式会社ストロボ代表取締役社長/自動運転ラボ発行人)

大手デジタルマーケティングエージェンシーのアイレップにて取締役CSO(Chief Solutions Officer)として、SEO・コンテンツマーケティング等の事業開発に従事。JV設立やM&Aによる新規事業開発をリードし、在任時、年商100億から700億規模への急拡大を果たす。2016年、大手企業におけるデジタルトランスフォーメーション支援すべく、株式会社ストロボを設立し、設立5年でグループ6社へと拡大。2018年5月、自動車産業×デジタルトランスフォーメーションの一手として、自動運転領域メディア「自動運転ラボ」を立ち上げ、業界最大級のメディアに成長させる。講演実績も多く、早くもあらゆる自動運転系の技術や企業の最新情報が最も集まる存在に。(登壇情報
【著書】
自動運転&MaaSビジネス参入ガイド
“未来予測”による研究開発テーマ創出の仕方(共著)




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