ウェイモ 新たに3都市追加で「米国14都市を制覇」早くも4000台体制へ

新型ミニバン「Ojai」を投入



出典:Waymoプレスリリース

米Google系の自動運転開発企業ウェイモ(Waymo)は9月1日、デンバー・サンディエゴ・タンパの3都市で新たにロボタクシーサービスの一般提供を同時に開始した。これにより米国での稼働都市は14、稼働台数は4,000台規模の体制に達した。拡大のスピードが一層増しており、勢いが止まらない。

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■デンバー・サンディエゴ・タンパ同時参入へ

ウェイモは今回、デンバー、サンディエゴ、タンパの3都市で一般向けの自動運転レベル4のロボタクシーサービスを同時に開始した。単独の都市を順に追加してきたこれまでの拡大パターンから一転し、3都市を同時に立ち上げたことで、米国での稼働都市数は14、稼働台数はI-PaceとOjaiを合わせて4,000台規模に達した。


初期の展開エリアは、デンバーが約60平方マイル、サンディエゴが約50平方マイル、タンパが約50平方マイルである。いずれも空港や高速道路を含まない限定的な範囲から始め、段階的に拡大していく方針だ。3都市同時展開は、車両供給網と現地の運行体制を同時に整える必要があり、単独都市ずつの拡大よりも難度が高い。今回の同時立ち上げは、ウェイモの拡大ペースが一段加速したことを示す動きだと言える。

【自動運転ラボの視点】
3都市同時展開は単独都市ずつの拡大より難度が高く、車両供給網と現地の運行体制が同時に整った証左と言える。競合するテスラとの都市重複も広がり、ロボタクシー市場の競争は次の局面に入ったとみるべきだろう。

■新型ミニバン「Ojai」のみを投入

デンバーとサンディエゴでは、新型ミニバン「Ojai」のみを投入した。Ojaiは中国のEVメーカーZeekr製のミニバンをベースにした車両で、第6世代のWaymo Driverを搭載する。座席空間を広く取った設計で、従来のI-Paceよりも量産コストを抑えられる車両として位置づけられている。

タンパはOjaiと従来型のI-Paceを組み合わせた車両で運用する。カリフォルニア州の公益事業を所管するCPUC(カリフォルニア公共事業委員会)は8月14日、北カリフォルニア12郡と南カリフォルニア6郡の計18郡でウェイモの運営拡大を承認した。この承認にはロサンゼルスやサンディエゴが含まれ、I-PaceとOjaiの両車種が対象となっている。中国製の車両を米国の自動運転タクシー市場に本格投入する動きとして、今後の供給体制にも注目が集まる。


■タンパで進むウェイモとテスラのロボタクシー共存

タンパでは、テスラが2026年7月下旬にすでに自社の無人配車サービスを展開していた。今回ウェイモが参入したことで、両社のロボタクシーが同一都市で共存する形になった。同様の構図はテキサス州オースティンですでに存在しており、タンパはこれに次ぐ事例となる。

テスラは2026年第2四半期の決算で売上高が過去最高の282億ドルに達した一方、ロボタクシー事業の有料走行マイル数の四半期増分はおおむね90万マイルで、前四半期からほぼ横ばいだった。7月に展開したマイアミ・オーランド・タンパでの拡大効果は第3四半期の決算から反映される見込みで、次の決算が伸び率回復の分岐点になる。対するウェイモは3都市同時追加という加速したペースを見せており、自動運転タクシー市場における両社の攻勢の違いが鮮明になっている。

■歓迎する自治体と反発する業界団体

コロラド州知事ジャレッド・ポリス氏はウェイモの展開について、大気質の改善を早期に実現する助けになるとの考えを示し歓迎した。タンパ市長ジェーン・カスター氏も、市民の移動手段の選択肢が広がるとして今回の展開を歓迎するコメントを出している。


一方で反発の声も根強い。デンバーではタクシー会社が、ウェイモが最低運賃規制の対象外になるなど既存のタクシー会社が負う規制を逃れているとして、不公平な競争だと主張している。サンディエゴでは交通局のMTS(サンディエゴ首都圏交通局)の理事会が、地元の規制や監視がないままの自動運転車拡大に反対する決議を可決し、サンディエゴ国際空港での自動運転車の完全禁止を求めている。タクシー労働者団体も、雇用の喪失と不公平な競争環境への懸念を訴えている。

【参考】関連記事としては「Uber 好決算でも3,300人を解雇へ 自動運転の普及見据え」も参照。

Uber 好決算でも3,300人を解雇へ 自動運転の普及見据え

■ウェイモ拡大で競争激化するロボタクシー市場

デンバー・サンディエゴ・タンパへの同時参入によって、ウェイモは米国14都市・車両4,000台という規模に到達した。単独都市ずつの拡大から複数都市同時展開へと手法を転換した背景には、車両供給網と運行体制の両輪が整ってきたことがある。

タンパで進むテスラとの都市重複は、自動運転タクシー市場の競争が一段と本格化していることを象徴する動きだ。テスラのロボタクシー事業が成長ペースの踊り場にある一方、ウェイモは拡大のスピードを緩めていない。米国14都市を制覇したという到達点は、通過点であると同時に、次の都市でも繰り返される競争の号砲でもある。

記事監修:下山 哲平
(株式会社ストロボ代表取締役社長/自動運転ラボ発行人)

大手デジタルマーケティングエージェンシーのアイレップにて取締役CSO(Chief Solutions Officer)として、SEO・コンテンツマーケティング等の事業開発に従事。JV設立やM&Aによる新規事業開発をリードし、在任時、年商100億から700億規模への急拡大を果たす。2016年、大手企業におけるデジタルトランスフォーメーション支援すべく、株式会社ストロボを設立し、設立5年でグループ6社へと拡大。2018年5月、自動車産業×デジタルトランスフォーメーションの一手として、自動運転領域メディア「自動運転ラボ」を立ち上げ、業界最大級のメディアに成長させる。講演実績も多く、早くもあらゆる自動運転系の技術や企業の最新情報が最も集まる存在に。(登壇情報
【著書】
自動運転&MaaSビジネス参入ガイド
“未来予測”による研究開発テーマ創出の仕方(共著)




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