Google、関税102%でも「中国製EV」3,200台輸入 ロボタクシー向け

WaymoがOjaiの展開加速



Googleの親会社Alphabet傘下で自動運転サービスを展開するWaymo(ウェイモ)が、中国の自動車ブランドZeekr(ジーカー)の車両をベースとしたロボタクシー「Ojai(オーハイ)」の調達を急速に進めている。


中国製EV(電気自動車)には102.5%という非常に高い関税が課されているにもかかわらず、累計3,200台以上を米国へ輸入していることが明らかになった。

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■「累計3,200台以上」を輸入

出典:Waymoプレスリリース

輸入申告書や各種記録によると、Waymoが輸入したOjaiは累計3,200台を超えており、そのうち2,600台以上は2026年に入ってから輸送されたものだ。アリゾナ州メサにあるWaymoの統合施設では、すでに500台以上のOjaiが敷地内に並んでいる様子も確認されている。

Waymoが輸入するのは、中国のZeekr工場で製造される車体、バッテリー、電動パワートレインといった「ベース車両(シャシー)」のみであり、自社の自動運転システムは米国に到着してから組み込むという明確な分業体制を敷いている。

■輸入申告書から判明したコスト構造

シャシーの工場出荷価格は1台あたり約3万8,000〜3万8,500ドル(約605万〜613万円)とされている。これに対し、米国政府による102.5%の関税を適用すると、関税を含めた米国到着時点でのシャシー価格は、上限価格ベースで約7万8,000ドル(約1,240万円)に達する。


さらにWaymoは、自社が開発した第6世代の自動運転システム「Waymo Driver」のハードウェアコストを約2万5,000ドル(約400万円)と公表している。

これらの数字を単純合算すると、シャシー費用(約7万8,000ドル)と自動運転ハードウェア費用(約2万5,000ドル)により、米国での最終的な統合作業を行う前の段階でコストは約10万3,000ドル(1,640万円)にのぼる計算となる。

最終的な組み立てやソフトウェア統合にかかる費用が含まれていないため、完成した車両の総コストはこれを上回ると見られる。

■不可欠な専用プラットフォーム

高額なコストをかけてまで、WaymoがZeekrを採用するのは、Ojaiが既存の市販EVの流用ではなく、最初からロボタクシーとしての運用を前提に開発された「専用車両」という点にある。


Ojaiは、自動車メーカーGeely(吉利汽車)の開発する「SEA-M」アーキテクチャをベースにしており、2022年に発表されたコンセプトカー「Zeekr M-Vision」から発展したモデルだ。

車両の基本性能としては、800Vの超急速充電システムと93kWhの大容量バッテリーを搭載。さらに、乗降性を高めるために中央の柱(Bピラー)を排した大型のスライドドアを採用するなど、乗客の利便性や快適性を最大限に追求した設計が施されている。

つまりWaymoにとってOjaiは、単に「安価なEVを調達する」ための手段ではなく、自動運転サービスの品質や拡大速度を担保するために不可欠な専用プラットフォームだ。

■米国の対中貿易政策が影響

Waymoが高関税の環境下でもOjaiの導入を進める姿勢からは、同社が目先の車両調達コストよりも、自動運転専用に設計された高品質な車両を大量かつ継続的に確保することを最優先している戦略が浮き彫りとなる。

車両製造をZeekrに委託し、自社は強みを持つ自動運転技術の統合に集中することで、事業展開のスピードを維持する狙いもある。

今後は、Waymoがサービス拡大に伴いOjaiの調達規模をどこまで増やしていくのか、そして米国の対中貿易政策や関税・自動車規制の変更が、同社の長期的ハードウェア戦略にどのような影響を与えるかが大きな注目点となる。

記事監修:下山 哲平
(株式会社ストロボ代表取締役社長/自動運転ラボ発行人)

大手デジタルマーケティングエージェンシーのアイレップにて取締役CSO(Chief Solutions Officer)として、SEO・コンテンツマーケティング等の事業開発に従事。JV設立やM&Aによる新規事業開発をリードし、在任時、年商100億から700億規模への急拡大を果たす。2016年、大手企業におけるデジタルトランスフォーメーション支援すべく、株式会社ストロボを設立し、設立5年でグループ6社へと拡大。2018年5月、自動車産業×デジタルトランスフォーメーションの一手として、自動運転領域メディア「自動運転ラボ」を立ち上げ、業界最大級のメディアに成長させる。講演実績も多く、早くもあらゆる自動運転系の技術や企業の最新情報が最も集まる存在に。(登壇情報
【著書】
自動運転&MaaSビジネス参入ガイド
“未来予測”による研究開発テーマ創出の仕方(共著)




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