トヨタの「自動運転車」はいつ買える?日産に先を越されて焦り見えるか

レベル4の計画発表をした日産との差



 

日産自動運転レベル4の計画を打ち出すなか、トヨタは自家用の自動運転車について具体的な発売時期を示せていない。


トヨタは米Google系の自動運転開発企業Waymo(ウェイモ)との協業やWoven CityでAI技術の高度化を進めている。一方で運転支援機能Toyota Teammate(トヨタチームメイト)は現行で自動運転レベル2にとどまる。市販の自動運転車がいつ登場するのか、トヨタ自身の口からはまだ語られていない。

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■トヨタの自動運転車はいつ買えるのか

トヨタは自家用自動運転車(レベル3以上)の市販車について、具体的な発売時期を公表していない。

現在トヨタが市販車に搭載する運転支援機能Toyota Teammate(トヨタチームメイト)は、高速道路でのハンズオフ走行に対応するものの、自動運転レベル2の段階にある。ドライバーが前方を見て監視し続ける必要があり、システムが運転の主体となる自動運転レベル3には達していない。レクサスLSなどに搭載されてきたが、あくまで運転支援の水準である。

業界全体を見渡せば、自動運転レベル3の市販車は2027年から2028年前後にかけて各社から出そろう見込みだ。複数の自動車メーカーがこの時期を目標に掲げている。だがそのなかにトヨタの名前は見当たらない。世界最大の自動車メーカーでありながら、自家用の自動運転車をいつ出すのか、トヨタは旗幟を鮮明にしていない。


【自動運転ラボの視点】
時価総額の逆転は市場評価の交代にすぎず、自動運転の勝敗が決したわけではない。トヨタは売上と生産の規模を武器に、Woven Cityと車載AIで反転を狙える位置にいる。問われるのは市販の時期だ。

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■Waymoとの協業予備合意が意味するもの

トヨタは2025年4月、米Google系の自動運転開発企業Waymo(ウェイモ)との間で、自動運転技術の開発と展開を加速させる協業について予備合意したと発表している。トヨタのソフトウェア開発を担うWoven by Toyota(ウーブン・バイ・トヨタ)も、戦略的な担い手としてこの協業に加わる。


注目すべきは、この協業が個人所有車向けの新しい自動運転プラットフォームの共同開発を主眼に置いている点だ。Waymoの自動運転技術とトヨタの車両開発力を組み合わせ、次世代の個人所有車を強化するという狙いが両社から示されている。自動運転タクシー専用ではなく、個人が所有して使う車に照準を合わせているところに、この提携の意味がある。

ただし、あくまで予備合意の段階である。協業の範囲は今後の協議を通じて広がっていくとされており、現時点で具体的な製品や発売時期が決まっているわけではない。世界の自動運転をけん引するWaymoと、世界最大の自動車メーカーであるトヨタが手を組む。その方向性は示された。だが、それが市販の自動運転車という形になるのがいつなのかは、やはり描かれていない。

■Woven CityのAI稼働とトヨタの足場

トヨタは2026年4月22日、実証都市Woven City(ウーブン・シティ)で新たなAI技術を発表した。中核となるのは大規模AI基盤モデルのWoven City AI Vision Engine(ウーブン・シティ・エーアイ・ビジョン・エンジン)である。Woven City自体は2025年9月に正式に始動しており、そこにAIの層が加わった形だ。

このAI Vision Engineは、カメラ映像やモビリティのデータ、利用者の入力などを束ねて、都市の状況をリアルタイムで把握する視覚言語モデルである。注意したいのは、これが自動運転車そのものを走らせる制御技術ではない点だ。あくまで都市全体の安全やインフラ連携を支える基盤であり、人と乗り物とインフラを一つの系として動かすことを目指している。自動運転への応用が見据えられてはいるものの、現時点では都市基盤としての性格が強い。

あわせてトヨタは、会長である豊田章男氏の意思決定の考え方を反映した豊田章男AIなども公開した。こうした技術群は、トヨタが自動運転に向けた足場を着実に広げていることを物語る。土台は整いつつある。だが、その土台の上にトヨタブランドの自動運転車がいつ載るのかは、ここでもまだ語られていない。

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■日産は計画を公表、一方トヨタは?

ここで日産に目を向けたい。日産は自動運転レベル4に向けた計画を、すでに対外的に打ち出している。具体的な技術や事業の細部はともかく、「この方向に進む」という旗を立てている点が重要だ。読者からすれば、日産が計画を見せたいま、自然と次の問いが浮かぶ。ではトヨタの自動運転車は、いつなのか。

トヨタは、日産のように自家用の自動運転車について明確な計画を公表していない。Waymoとの提携もある。Woven CityのAIもある。e-Paletteのような自動運転を見据えた車両もすでに販売している。素材はそろっているのに、肝心の「個人が買える自動運転車をいつ出すのか」という一点だけが、計画として示されていないのだ。

これは出遅れなのか、それとも別の戦略なのか。トヨタはPony.aiやMay Mobility、Nuroといった新興勢に出資し、車両を供給しながら、サービスやプラットフォームを軸に自動運転へ間接的に関わってきた。自前の市販車を急ぐより、技術を生かすモビリティの形を探る。そうした姿勢の表れとも読める。いずれにせよ、日産が計画という形で問いに答え始めたのに対し、トヨタの自動運転車の時期は示されていない。

【参考】関連記事としては「自動運転、日産が世界初「自家用車レベル4」発売へ」も参照。

自動運転、日産が世界初「自家用車レベル4」発売へ

■トヨタの「自動運転車」が買える日は来るか

トヨタの自動運転車が買える日は未定だ。Waymoとの協業予備合意は個人所有車に向けた一歩であり、Woven CityのAIは足場を固める動きだ。だが、市販の自動運転車そのものの発売時期は、どこにも示されていない。

業界全体としては、自動運転レベル3の市販車が2028年前後に出そろう見通しが語られている。トヨタがその流れに乗るのか、独自の時間軸で動くのかは、まだ分からない。世界最大の自動車メーカーが持つ量産と品質の力は本物だ。その力をいつ自動運転車という製品に結実させるのか。

日産が計画を公表したいま、トヨタへの問いはより鮮明になった。トヨタの自動運転車はいつ買えるのか。動向に期待したい。

記事監修:下山 哲平
(株式会社ストロボ代表取締役社長/自動運転ラボ発行人)

大手デジタルマーケティングエージェンシーのアイレップにて取締役CSO(Chief Solutions Officer)として、SEO・コンテンツマーケティング等の事業開発に従事。JV設立やM&Aによる新規事業開発をリードし、在任時、年商100億から700億規模への急拡大を果たす。2016年、大手企業におけるデジタルトランスフォーメーション支援すべく、株式会社ストロボを設立し、設立5年でグループ6社へと拡大。2018年5月、自動車産業×デジタルトランスフォーメーションの一手として、自動運転領域メディア「自動運転ラボ」を立ち上げ、業界最大級のメディアに成長させる。講演実績も多く、早くもあらゆる自動運転系の技術や企業の最新情報が最も集まる存在に。(登壇情報
【著書】
自動運転&MaaSビジネス参入ガイド
“未来予測”による研究開発テーマ創出の仕方(共著)




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