自動運転中は「ハンドル格納」!米国で新タイプ登場

AutoX系企業が発表、レベルは「4」



出典:Tensor公式YouTube動画

米国や中国で実用化されている自動運転車だが、そのほとんどが自動運転タクシー(ロボタクシー)として活用されており、個人利用向けの車両はこれまでなかった。しかし、このたび発売されれば世界初となる消費者向けのレベル4自動運転車が発表された。

この車両を開発・発表したのは、カリフォルニア州サンノゼを拠点とするスタートアップ「Tensor(テンサー)」だ。同社が発表したのは、完全自動運転モードに切り替わるとハンドルがダッシュボード部分に格納される機能を備える画期的な車両だ。


【参考】関連記事としては「自動運転レベルの定義解説【0・1・2・3・4・5の表付き】」も参照。

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■世界初の個人向け完全自動運転車

出典:Tensorプレスリリース

Tensorが発表した自動運転車「Robocar」は、見た目はテスラのEV(電気自動車)に似たようなボディをしている。しかしTensorの説明によると、部分的な自動運転であるテスラ車とは異なり、この「Robocar」はドライバーのいらない完全自動運転機能をもつ車両となっている。同社は、車両の所有者となる消費者に完全自動運転車を直接販売する世界で初めての自動車メーカーとなる。

▼Tensor公式サイト
https://www.tensor.auto/

ロボカーには高度な100個以上のセンサー類や各種カメラ、LiDAR、サイドミラーの代わりにもなるスクリーンのほか、完全自動運転モードではステアリングホイール(ハンドル)が消える機能が搭載されている。レベル4のボタンを押すとハンドルが隠れ、座席スペースが広くなるという他社にはない機能だ。車体の製造はベトナムのEVメーカー・Vinfastが行うようだ。


Tensorで最高ビジネス責任者(CBO)を務めるHugo Fozzati氏は、この自動運転車について「本当に魔法のようだ。実現までに約10年を要した」と語っている。そしてこの車両は高度なAI(人工知能)を搭載して動作するよう設計されていると説明し、「道路に集中する必要がなくなったので自分自身に集中できるし、Netflixに集中することもできる」と付け加えている。

なお自動運転レベル4とは、特定の走行環境を満たす限定された領域において、自動運行装置が運転操作の全部を代替する状態のことを指す。世界で初めてロボタクシーサービスを商用化したGoogle系の自動運転開発企業Waymoが運行しているのも、レベル4の自動運転車となっている。

■中国系企業がルーツ

Tensorという社名は、ほとんどの人は聞いたことがないかもしれない。しかしその成り立ちは、2016年から自動運転車のテストを行ってきた中国系の自動運転開発企業AutoXから始まっている。


2016年設立のAutoXは、中国と米カリフォルニア州を拠点に自動運転タクシーの実用化を進めていた。2017年にカリフォルニア州で最初の自動運転テスト許可を取得し、同州の公道でのテストを開始した。現在は中国での事業を完全に終了し、Tensorへと再編された形となる。

最近の車載向け中国製ソフトウェアに対する米国政府の規制回避のため、米国拠点にあるAutoXチームを分社化させ、別会社としてTensorを米国に設立させたという経緯のようだ。

■車体価格の発表はまだ

Tensorは今回発表した新型車両の価格の詳細を明らかにしてはいないが、2026年後半に販売をスタートさせる計画だ。

開発競争が著しい自動運転業界。一般向け自動運転市場に、テスラなども参入してくるかもしれない。引き続き注目したい。

記事監修:下山 哲平
(株式会社ストロボ代表取締役社長/自動運転ラボ発行人)

大手デジタルマーケティングエージェンシーのアイレップにて取締役CSO(Chief Solutions Officer)として、SEO・コンテンツマーケティング等の事業開発に従事。JV設立やM&Aによる新規事業開発をリードし、在任時、年商100億から700億規模への急拡大を果たす。2016年、大手企業におけるデジタルトランスフォーメーション支援すべく、株式会社ストロボを設立し、設立5年でグループ6社へと拡大。2018年5月、自動車産業×デジタルトランスフォーメーションの一手として、自動運転領域メディア「自動運転ラボ」を立ち上げ、業界最大級のメディアに成長させる。講演実績も多く、早くもあらゆる自動運転系の技術や企業の最新情報が最も集まる存在に。(登壇情報
【著書】
自動運転&MaaSビジネス参入ガイド
“未来予測”による研究開発テーマ創出の仕方(共著)




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