
米国のトランプ政権では、自動運転車の導入を積極的に支援していくようだ。自動運転車については、人間のドライバー向けに取り付けが義務づけられていた要件を廃止する方向で動き出している。
ショーン・ダフィー運輸長官は、米国運輸省道路交通安全局(NHTSA)が管轄する連邦自動車安全基準(FMVSS)の新しい規則策定を開始することを2025年9月4日に発表した。フロントガラスのワイパー設置義務などが撤廃・緩和されるようだ。
これまでの基準は数十年ごろまでに策定されたもので、自動運転車を想定したものではない。これを撤廃することで、自動運転車メーカーがより安価に車両を開発できるよう後押ししていく構えだ。新しい規則は、早ければ2026年春までに施行される予定だという。
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■規制緩和の内容
連邦政府の「規制・規制緩和措置に関する春の統一アジェンダ」の一環として、NHTSAはFMVSSの改正に向け、3つの規則策定を提案している。自動運転システムを搭載した車両や手動操作装置(ハンドルやブレーキペダルなど)を持たない車両では、新基準として緩和する提案になる。
- FMVSS No.102「変速機シフト位置の順序、スターターインターロック、および変速機のブレーキ効果」
- FMVSS No.103「フロントガラスの霜取りおよび曇り取り装置」、No.104「フロントガラスのワイパーおよび洗浄装置」
- FMVSS No.108「ランプ、反射装置、および関連機器」
人間が運転するクルマと完全自動運転車では、装備すべき設備が全く変わってくる。人間による運転ではフロントガラスを常にクリアにし、見やすい視界を保つ必要がある。しかし自動運転車は車体に取り付けられたカメラや各種レーダー、LiDARなどにより周囲の状況を把握しているため、フロントガラスで中から外を見る必要はなくなるというわけだ。

■「米国が世界をリードする」
ダフィー運輸長官は今回の発表について、現行のFMVSSは元々人間が運転することが前提となり規定されていると説明した上で、現在ある自動運転技術の進歩を全く考慮していない「時代遅れの遺物」とまで言い切っている。
そして「米国は交通イノベーションをリードしていかなければいけない。我々がそうしなければ、敵対国がその隙を埋めるだろう」と語り、「道路交通ルールは21世紀の現実に合わせて更新する必要がある。今回の変更により重複する要件を撤廃し、イノベーションを促進しつつ安全を最優先にするという、全国統一基準の実現に近づくことが可能になる」と意欲を見せている。
NHTSAで主席法律顧問を務めるPeter Simshauser氏は「FMVSSは人間のドライバーが運転する車両を前提に作られており、自動運転車に対応するよう改訂する必要がある。これらの要件を取り除くことでコスト削減と安全性の向上が期待できる」と説明。その上で「NHTSAは先進技術の安全な開発を支援し、新しい交通時代の到来を推進していく」と宣言した。
■トランプ政権での取り組み
2025年1月から始まった第2次トランプ政権下では、自動運転の導入に向けた取り組みが加速している。ダフィー運輸長官は同年4月、自動運転車に関する新たな枠組み「Automated Vehicle Framework」を発表した。
これは「公道での自動運転車運行の安全確保」や「不要な規制の撤廃によるイノベーション促進」、「安全性と機動性の向上を通じた自動運転車の商用展開の支援」を柱とするものだ。米国の製造業強化と技術革新の促進を図るとともに、重要な安全基準を維持しつつ、州ごとの有害な規制のバラつきを防ぐという目的がある。
この枠組みの基本原則は、下記3つとなっている。
- 公道における自動運転車の運行の安全を最優先にすること
- 不要な規制上の障壁を取り除き、イノベーションを解放すること
- 自動運転車の商業展開を可能にし、米国民の安全と移動性を高めること
この取り組みで最初に行ったのが、今回発表されたFMVSSの現代化に向けた作業というわけだ。
■規則整備で実装はますます進む
数十年前は、ドライバーレスの自動運転車が出現することは映画の中の夢物語のようであった。しかし自動運転技術が急速に発展し、Google系の自動運転開発企業Waymoなどが各地で自動運転タクシー(ロボタクシー)サービスを展開している現在、早期の規則整備が望まれる。
今回のトランプ政権の動きは、米国が自動運転先進国としての地位をますます強固なものにしていく一助となりそうだ。
【参考】関連記事としては「自動運転タクシー、アメリカの最新動向!Googleやテスラの展開状況は?」も参照。