テスラの「カメラのみ自動運転」、全米で禁止か

地方州の規制法案、影響拡大も



米ニュージャージー州で提案された新たな法案が、自動運転業界で大きな話題になっている。


同州で発議されたのは無人の自動運転車両に、カメラ以外のセンサー搭載を義務付けようとするものだ。この法案が決まれば、カメラのみでも十分と主張している米電気自動車大手テスラのロボタクシーが事実上、排除される。

カメラのみをセンサーとして使うAI自動運転は「E2E自動運転」と言われ、現在、注目度を集めているアプローチだ。この規制法案が全米へと拡大すれば、テスラ社はその自動運転戦略を根本から見直す必要が出てくる。

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■新法案がもたらす衝撃

ニュージャージー州の議員らが推進するこの新法案「S1677」は、無人で運用する商用車両に対して、カメラに加えて少なくとも2種類以上の追加センサーの搭載を義務付けるものだ。


法案が成立すれば、カメラのみのシステムのみに依存するテスラのロボタクシーは要件を満たせなくなる。テスラ社CEOのイーロン・マスク氏は、自社車両にレーダーやライダー(LiDAR)などの追加ハードウェアは不要だと主張し続けてきたが、米国で最も人口密度が高い同州から締め出される恐れもでてきた。

■サイバーキャブにとって逆風?

さらにテスラにとって逆風ともいえるのは、この法案がハンドルやブレーキ、アクセルペダルといった従来からある操作装置の維持も重視している点だ。

テスラが発表している自動運転専用車両の「サイバーキャブ」は、ステアリングホイールもペダルも一切備えていないため、この要件は満たさない。

出典:Tesla公式サイト

また同州のみならず、これらハードウェア義務化の動きは隣接するニューヨーク州でもすでに検討が始まっている。


■【まとめ】全米へ広がるのか?

今回のニュージャージー州の動きが特徴的なのは、自動運転車の公道におけるルールだけではなく、メーカーが車両に組み込む「ハードウェアそのもの」を直接、規制の対象とする点だ。

日本と違い米国では全国一律の自動運転ルールはあえて策定されておらず、各州それぞれが規制を作っているが、先行事例が各州で検討されることは間違いなく、ニュージャージー州の動きがどのような影響力を持っていくのか、注目だ。

【参考】関連記事としては「テスラの自動運転機能(FSD)とロボタクシーを徹底解説」も参照。

記事監修:下山 哲平
(株式会社ストロボ代表取締役社長/自動運転ラボ発行人)

大手デジタルマーケティングエージェンシーのアイレップにて取締役CSO(Chief Solutions Officer)として、SEO・コンテンツマーケティング等の事業開発に従事。JV設立やM&Aによる新規事業開発をリードし、在任時、年商100億から700億規模への急拡大を果たす。2016年、大手企業におけるデジタルトランスフォーメーション支援すべく、株式会社ストロボを設立し、設立5年でグループ6社へと拡大。2018年5月、自動車産業×デジタルトランスフォーメーションの一手として、自動運転領域メディア「自動運転ラボ」を立ち上げ、業界最大級のメディアに成長させる。講演実績も多く、早くもあらゆる自動運転系の技術や企業の最新情報が最も集まる存在に。(登壇情報
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