
Google傘下の自動運転開発企業Waymo(ウェイモ)が運行するロボタクシーが、米カリフォルニア州で男に破壊される事件が発生した。男が車両の上に乗り上げてガラスやセンサーを損壊し、叫ぶ様子が撮影されている。祈っているようにも見える。
Waymoは米国で最も普及が進むロボタクシーサービスの一つであり、すでに複数の都市で完全無人の商用運行を行っている。一方で、サービスの拡大に伴い、「テロ」とも言えそうな車両を標的とした迷惑行為や破壊行為も相次いでおり、運行の安全確保が新たな問題となっている。
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■上半身裸の男を逮捕
ロサンゼルス市警(LAPD)によると、午後1時35分ごろ、「男がWaymo車両を壊している」との通報を受け、警察官が現場へ急行した。
現場は交差点の中央で、停止したWaymo車両の上に上半身裸の男が乗っていた。公開された動画では、男はへこんだフロントガラスの上に立ち、折れ曲がったワイパーを手に持ちながら、車両のルーフに搭載されたセンサーへ向かって大声で叫んでいる様子が確認できる。
男の行為によって車両はその場に立ち往生し、周辺の交通は一時全面的にストップした。事件当時、車内に利用者が乗っていたかどうかは公表されていない。警察は現場で男を器物損壊(バンダリズム)の容疑で逮捕した。
Waymoではカメラやレーダーなど複数のセンサーを組み合わせることで、車両や歩行者、自転車、信号機などを高い精度で認識し、安全な自動運転を実現している。
男が叫んでいた車両上部の装置は、「LiDAR(ライダー)」と呼ばれるセンサーである。LiDARはレーザー光で周囲を検知する「自動運転の目」とも呼ばれる装置で、Waymoの自動運転を支える重要なセンサーの一つとなっている。
【参考】関連記事としては「LiDARセンサーとは何?自動運転やiPhone向けで注目!何ができる?」も参照。
LiDARセンサーとは何?自動運転やiPhone向けで注目!何ができる?
■後を絶たない人的トラブル
今回の事件は、Waymoが経験した人的トラブルの一例に過ぎない。
2025年には、同州で15歳の少年2人がWaymo車両の車内で飲酒し、ゲル弾を発射する玩具銃を車外へ向けて撃つ騒ぎを起こした。この件では、自動運転車の車両自らが異常を検知して警察へ通報し、駆けつけた警察官が車両を停止させて少年らを補導した。車自らが異常を検知し、警察と連携した事例として注目を集めている。
また、走行中のWaymo車両の窓から若者が身を乗り出す危険行為も確認されている。運転手が存在しないことを利用した迷惑行為だ。動画撮影が目的だった可能性も指摘されており、SNS向けに利用されるケースもある。
さらに2024年には、群衆が車両を取り囲んで落書きをした後に花火を投げ込んで炎上・全焼させる事件も発生しており、ロボタクシーに対する破壊行為の象徴的な事例となった。この映像は世界中で拡散され、自動運転車への破壊行為を象徴する出来事となった。
このほかにも、通行人が進路を妨害したり、車体を蹴ったりする事例が報告されている。自動運転車が「反撃してこない相手」と見なされ、嫌がらせの対象になりやすいことが浮き彫りとなっている。
■ロボタクシー普及への課題
Waymoは現在、複数の州で完全無人のロボタクシーサービスを展開し、利用者数を着実に増やしている。
車両には多数のカメラやセンサーが搭載されており、周囲の状況を常時記録しているため、事件発生時には証拠映像として活用されるケースも少なくない。しかし、自動運転技術がどれほど進歩しても、人間による故意の迷惑行為や破壊行為をテクノロジーだけで完全になくすことは容易ではない。
ロボタクシーが今後さらに社会に溶け込んでいくためには、AIやセンサー技術の進化だけでなく、法整備やモラルの向上、そして自動運転車を社会インフラとして正しく受け入れる環境づくりも重要になるだろう。
【参考】関連記事としては「自動運転の「トラブル事例」一覧」も参照。













