自動運転業界、2024年のIPO市場は「中国企業」一人勝ち状態

WeRideやPony.ai、ナスダックに相次ぎ上場



この数年、自動運転関連企業の株式上場が増えている。2024年は自動運転開発を手掛ける中国企業のWeRide(文遠知行)とPony.ai(小馬智行)が米ナスダック市場への上場を果たした。


また同じく中国の注目企業Horizon Robotics(地平線機器人)や、Black Sesame(黒芝麻智能国際控股)、iMotion Automotive Technology(知行汽車科技)が香港市場に上場するなど、中国企業の勢いが目立つ1年となった。自動運転業界において、2024年のIPOマーケットは「中国企業の一人勝ち状態」と言っていいだろう。

ちなみにトヨタが出資するMomentaも米国でのIPOが承認され、近く米国市場へ上場予定だ。

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■中国WeRide(米ナスダック市場、ティッカーシンボル:WRD)

出典:WeRideプレスリリース

2017年設立のWeRideは広東省広州市に本社を置き、自動運転レベル4に特化して技術開発を行っている。レベル4は、特定エリア内での完全自動運転が可能となる水準を指す。

2018年10月と2021年6月に、ルノー・日産自動車・三菱自動車が設立した戦略的ベンチャーキャピタルファンド「アライアンス・ベンチャーズ」から戦略的投資を受けたことを発表している。また2022年3月には、中国の自動車メーカー大手である広州汽車集団(GAC Motor)や独自動車部品大手のボッシュなどから4億ドルの資金調達を行っている。


WeRideは2023年9月にIPOの認可を取得し、2024年10月に米ナスダック市場へ上場した。上場初日の終値は16.55ドルで、一時20ドル近くまで上昇したが、12月27日現在は14.58ドルとなっている。


■中国Pony.ai(米ナスダック市場、ティッカーシンボル:PONY)

出典:Pony.aiプレスリリース

トヨタ自動車も出資・提携していることで知られているPony.aiは、GoogleとBaidu出身の2人により2016年に設立された。中国と米カリフォルニア州を拠点に自動運転タクシーの開発を進めている。北京、広州、深セン、上海で自動運転タクシーを運行しており、このうち北京と広州では完全無人による自動運転走行の運行許可を取得している。

2019年8月にトヨタ自動車との提携を発表し、2020年2月にはトヨタから4億ドル(当時のレートで約460億円)の出資を受けている。2023年8月には、トヨタの中国統括企業と広汽トヨタとともに合弁を設立すると発表した。新会社がトヨタブランドのBEVをPony.aiに提供し、自動運転タクシーを量産化していく計画だ。2024年3月にはルクセンブルク政府と自動運転モビリティ推進に向けた覚書(MoU)を締結し、同国における自動運転実装にも取り組んでいる。

Pony.aiは2021年の米国IPOを検討していたが、米証券取引委員会による中国企業への監視強化のため、計画を延期せざるを得なかった。その後2024年8月に米国IPOに再挑戦することが報じられ、同年11月に米ナスダック市場への上場の上場を果たした。

上場初日の終値の終値は13.02ドル、その後11ドル台へ下降したが、直近では14ドル台で推移している。

■Horizon、Black Sesame、iMotion(香港市場)

Horizon Roboticsは、中国のIT大手Baidu(百度)でAI開発に関わった人物が2015年に創業し、北京市を拠点に自動運転向けのAIチップ開発を手掛けている。独自のソフトウェアとハードウェアの共同設計・統合アプローチに基づいて設計したBPUを武器としており、米NVIDIAの自動運転セグメントの中国版とも言えるような注目企業だ。同社は2024年10月に香港市場に上場した。

同じく自動運転車向けAIチップ開発のBlack Sesameは、2024年8月に香港市場へ上場した。2016年設立の同社は、米カリフォルニア州でのセーフティドライバーありでの自動運転の走行ライセンスを取得している。

またiMotion Automotive Technologyは2016年設立で、自動運転ドメインコントローラーの開発を主力事業としている。同社の香港市場への上場は2024年ではなく2023年12月だが、ここであわせて紹介しておく。


■トヨタ出資のMomentaも上場予定

中国の自動運転スタートアップMomentaは、2024年6月に中国の証券監督当局によりIPOが承認された。米国市場へ上場予定だ。

2016年設立の同社はトヨタが出資する有力スタートアップの1社として知られており、米調査会社のCBインサイツによると、時価総額は10億ドル(約1,500億円)でユニコーン企業に数えられている。自動運転レベル4を実現するソリューション「MSD(Momenta Self Driving)」や、量産車に対応したエンドツーエンドの自動運転ソフトウェア「Mpilot」などの開発を進めている。

2020年12月にLiDAR開発を手掛けるLuminar Technologies、2022年10月にインテル傘下で自動運転の技術開発を行っているイスラエル企業Mobileyeが米ナスダック市場に上場するなど、勢いがあった米国系企業。2024年は自動運転関連企業の上場は目立たなかったと言えるかもしれない。

2025年はどんな自動運転分野の企業が上場し、どんな銘柄が躍進するのだろうか。動向に注目だ。

【参考】関連記事としては「自動運転、米国株・日本株の関連銘柄一覧(2024年最新版)」も参照。

記事監修:下山 哲平
(株式会社ストロボ代表取締役社長/自動運転ラボ発行人)

大手デジタルマーケティングエージェンシーのアイレップにて取締役CSO(Chief Solutions Officer)として、SEO・コンテンツマーケティング等の事業開発に従事。JV設立やM&Aによる新規事業開発をリードし、在任時、年商100億から700億規模への急拡大を果たす。2016年、大手企業におけるデジタルトランスフォーメーション支援すべく、株式会社ストロボを設立し、設立5年でグループ6社へと拡大。2018年5月、自動車産業×デジタルトランスフォーメーションの一手として、自動運転領域メディア「自動運転ラボ」を立ち上げ、業界最大級のメディアに成長させる。講演実績も多く、早くもあらゆる自動運転系の技術や企業の最新情報が最も集まる存在に。(登壇情報
【著書】
自動運転&MaaSビジネス参入ガイド
“未来予測”による研究開発テーマ創出の仕方(共著)




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