米ライドシェア最大手のUber Technologies(ウーバー・テクノロジーズ)は、すでに米国内で自動運転タクシーサービスを商用展開している。
米Google系の自動運転開発Waymoとタッグを組み、アリゾナ州フェニックスで自動運転タクシーの配車サービスを行っており、そしてこのほど、テキサス州オースティンやジョージア州アトランタも対象エリアに加えるという。
米国で自動運転タクシーの配車プラットフォーム事業を着々と拡大しているUber。現在、同社は日本でもタクシーアプリ事業を展開しているが、アメリカで無人タクシーの配車の事業モデルを固めたあと、いずれ日本でも同種のビジネスを横展開する可能性がありそうだ。
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■2023年10月から自動運転タクシー配車を開始
UberとWaymoは2023年5月に配車・配達において複数年にわたる戦略的パートナーシップを結んでいる。フェニックスでUberアプリを通じてWaymoの自動運転タクシーの配車を行うほか、Uber Eatsアプリを通じて自動運転車でフードデリバリーを行うといった内容となる。
実際、同年10月からフェニックスで自動運転タクシーの配車をアプリを通じてスタートしている。自動運転のレベルは「レベル4」(高度運転自動化)で、サービス提供エリア内においては車内が完全無人、つまり安全のためのセーフティドライバーがいない状況で運行される。
最初から自動運転車を選択することはできないようだが、Uberのアプリの「乗車設定」にて選択することで、自動運転車とマッチングする可能性が高くなるという。自動運転車がマッチングした場合、配車前にユーザーに対して、自動運転車の乗車に応じるかどうかの確認がある。もし不可なら、別の車両を探すこともできる。
同社CEO(最高経営責任者)のダラ・コスロシャヒ氏によると、現在までフェニックスにおいて「数万人」のユーザーの移動を支えてきたという。
■CruiseやWayveともタッグで拡大加速か
Uberはかつて、「Uber Advanced Technologies Group(ATG)」という部門において自動運転の自社開発を行っていた。しかし2020年2月にATGを米Aurora Innovationに売却し、自社開発を断念したという経緯がある。その後はWaymoなどの開発各社とパートナーシップを結び、自動運転サービスの導入を進めている。
Uberは2024年8月には、米GM傘下のCruiseとの提携を発表した。2025年からUberユーザーは自動運転タクシーを配車できるようになるという(展開エリアは未発表)。また同じく8月に、英Wayveとも戦略的提携を行っている。Wayveはソフトバンクが出資する注目のAI(人工知能)スタートアップだ。
【参考】関連記事としては「ビル・ゲイツ興奮!自動運転車に乗る」も参照。
ビル・ゲイツ興奮!自動運転車に乗る https://t.co/65ZyKoONxb @jidountenlab #ビルゲイツ #自動運転
— 自動運転ラボ (@jidountenlab) March 30, 2023
■Uberの日本への参入可能性も注目
Waymo、Cruise、Wayveと、次々に有力自動運転開発企業とタッグを組み自動運転タクシーサービスを計画しているUber。日本ではタクシー配車サービスを手掛けており、いずれは日本でも自動運転タクシーの配車事業を展開することになりそうだ。
なおUberはタクシー会社主導の通称「日本版ライドシェア」においては、アプリを通じてタクシー会社が展開しているライドシェアも呼べるようになっているが、ライドシェアを運行できるのはタクシー会社のみという規制の問題で、自社でライドシェア事業を直接展開できない。
また、2024年10月10日にはテスラが自動運転タクシーを発表する予定だ。実際の稼働はまだ先になると予想されるが、テスラの自動運転タクシーサービス参入により、米国配車市場のシェア1位のUberや2位のLyftという勢力図に、大きな影響を及ぼす可能性もある。
米国の自動運転タクシー市場の今後とともに、Uberの日本への参入可能性についても注目していきたい。
【参考】関連記事としては「Googleが「二刀流」!自動運転タクシーでUber Eatsも配達」も参照。