パナソニック、供給先テスラの量産遅れで悪影響 車載電池事業で中国勢が台頭

積極投資の先に光明見えるか!?


電気自動車(EV)向けの電池供給に力を入れるパナソニック。タッグを組む米EV大手テスラ社の生産遅延により収益が圧迫されたほか、中国市場の動向も予断を許さない状況が続くなど暗雲に包まれているとも言えるが、それでもなお車載電池事業に積極投資を続ける強気の姿勢を崩さない。同社の光はどこにあるのか。暗雲の正体を暴き、光の筋をたどってみよう。







■テスラの死亡事故・生産遅延が与えたインパクト

テスラ社は2017年、同社初となる量販型セダン「モデル3」を発売し、事前予約が公表50万台を超えるなど好調を示していた。しかし、バッテリーモジュール組み立て工程に問題が生じるなど大幅な生産遅延が続き、電池を供給するパナソニックの業績も悪化。2018年3月期は業績の下方修正を余儀なくされたほか、2018年3月にテスラ車が死亡事故を起こしたことも相まって、パナソニック株が一時大幅下落する事態となった。

テスラ社はその後組織体制の見直しと生産体制の改善を図り、2018年4〜6月期の最終週に週5000台の生産目標に達したことを明らかにしている。

車載関連機器を扱うパナソニックの社内カンパニー、オートモーティブ&インダストリアルシステムズ(以下、オートモーティブ社)の伊藤好生社長は、2018年7月2日に開いた事業戦略説明会の中でテスラ社の生産工程は改善しているとの認識を示し、今後についてはセルの安定供給態勢を構築していくことに意欲を表明。またエネルギー密度が高い車載電池については、限られた保管スペースの中での在庫管理などが課題だと述べている。懸念材料は残るが、テスラ社の問題は一段落した印象だ。

■中国企業が台頭し、ライバルとなるまで急成長

一方、これからの業績を揺るがす存在が中国で台頭している。車載電池中国最大手の寧徳時代新能源科技(CATL)だ。独BMWから数十億ユーロ(数千億円)分の発注を受けるなど車載電池分野でパナソニックと肩を並べる位置まで急成長を遂げ、2018年には日本法人も設立している。巨大市場を抱える中国国内では、政府推奨のホワイトリストに掲載されたCATLに対し、大連に工場を構えるパナソニックはリストから外されており、信頼性の観点から同市場では不利な展開が予測されている。

この点に関して、伊藤社長はパナソニックの強みについて「エネルギー密度の高い高容量タイプ」とし、十分に競争力があることを強調している。

■「自動車部品メーカートップ10入り」を掲げて

暗雲が晴れ切らない状況だが、オートモーティブ社は2018年度の事業方針の柱に車載・産業分野を据え、パナソニック全社をけん引していく構えだ。米ネバダ州、大連の電池工場への投資も需要を見極めながら段階的に実施していく。

中期的にはIVI(In Vehicle Infotainment=車載インフォテインメント機器)、コックピット、ADAS(先進運転支援システム)、電動化の4カテゴリーに重点を置き、2021年度には売上高2.5兆円を目指し自動車部品メーカートップ10入りに挑戦する目標を掲げるなど、総合電機メーカーグループの一員として一歩も引かない姿勢を見せている。

【参考】パナソニックの自動運転・AI(人工知能)戦略などについては「AI人材が1日1人増える!? パナソニック、自動運転車のサイバー対策など注力へ|自動運転ラボ 」も参照。







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