韓国最大手の自動車メーカーである現代自動車(ヒョンデ)が、自動運転技術を開発する韓国のスタートアップ・42dotの買収を検討しているようだ。
韓国メディアの報道によると、買収もしくは出資比率を高めることを検討しており、2022年6月に42dotへ打診したようだ。買収もしくは出資比率を高めるための金額として、少なくとも3億600万ドル(約408億円)相当を投資する予定だという。
細かな条件などについては現在交渉中で、早ければ8月中にも交渉の結論が出る模様だ。これにより、ヒョンデは自動運転事業の取り組みをさらに加速させようとしていると考えられる。
■NAVERのCTOが2019年に設立した42dot
42dotは、2019年に韓国のネット大手ネイバー(NAVER)のCTO(最高技術責任者)であったソン・チャンヒョン氏によって設立された。同氏は現在、42dotのCEO(最高経営責任者)を務めている。
42dotは「aTaaS(autonomous Transportation-as-a-Service)」=自動運転交通サービス=というミッションを掲げている。自動運転車やドローン、ロボットなどを駆使し、人とモノの移動全てを自動運転化することを目指している。
2021年12月には韓国の首都ソウルで有料の自動運転タクシーサービスを開始しており、同国の自動運転業界で存在感が高まっていた。
ちなみにヒョンデは現在、42dotの株式の20.4%を保有しており、CEOのチャンヒョン氏は2021年12月時点で36.2%を保有しているという。残りの株は、ベンチャーキャピタルや投資家が保有している。
■自動運転業界でヒョンデの存在感アップ
ヒョンデは、2022年中に自動運転レベル3を搭載した市販車を市場投入する計画を明かしている。そのほか、2023年に自動運転レベル4車両を公道デビューさせる計画や、2026年までに無人航空機を使用した離島向け無人デリバリーサービスを実現する計画などを発表している。
2020年3月には、ヒョンデと米自動車部品大手Aptivの合弁会社として、Motional(モーショナル)を設立し、世界で最も高性能で安全な自動運転車の開発を推進している。2023年に米国で自動運転タクシーを運行させる計画もある。
2021年初頭には、アップルとヒョンデが自動運転電気自動車を作るために提携する可能性も示唆されていた。
またヒョンデは、2030年までに世界のEV市場の7%のシェアを獲得する目標を2022年3月に明らかにしており、同年までに自動運転ソフトウェア技術やEV事業に日本円にして約790億円を投資するとも発表している。
自動運転業界において韓国勢は割と目立たない存在だったが、ここにきてグッと存在感が高まっている印象だ。
▼42dot公式サイト
https://42dot.ai/
【参考】関連記事としては「自動運転、韓国の大本命は42dot?ソウルでロボタクシー展開」も参照。