中国EC最大手アリババが出資している中国のスタートアップ企業DeepRoute.aiは2022年4月27日までに、自動車メーカーの車両にオプションとして搭載可能な自動運転機能のコストを、現在の1万ドル(約128万円)から70%削減できる見込みだと発表した。
報道発表の通りだと、自動運転機能当たりのコストは3,000ドル(約38万円)となる。どのレベルの自動運転機能かまでは不透明だが、自動運転に必要なLiDARやカメラなどを全て含めたコストだとすれば、かなり安めだ。
自動車メーカーに自動運転機能を低価格で提供できれば、DeepRoute.ai製のシステムの搭載が自動車業界で一気に進む可能性もある。
■レベル4のロボタクシー車両をお披露目
このほかDeepRoute.aiは、独自開発した自動運転レベル4(高度運転自動化)の技術を搭載したロボットタクシー車両を発表した。車両には、中国のスタートアップRoboSenseとZvisionによるソリッドステート式のLiDARセンサー5台と8台のカメラが搭載されているという。
ベース車両は、中国SAIC(上海汽車)傘下のMGのMARVEL R SUVモデルで、これから数カ月以内に「アジアのシリコンバレー」と呼ばれる深センで走行を開始する予定のようだ。
自動運転レベル4は本質的には、運転操作において人間による介入を一切必要としない段階を指す。そのため、車内に安全要員(セーフティドライバー)を乗せて走行させる場合はレベル4とは言えず、自動運転レベルは2に落ちる。
そのため、深センでの走行では安全要員を乗せるのか乗せないのか、気になるところだ。また、深センでの走行が実証的な走行なのか、実サービスを展開するための走行なのかにも関心が集まりそうだ。
■アリババが3億ドルを出資したDeepRoute.ai
2021年9月、シリーズBラウンドでアリババなどから3億ドル(約385億円)を資金調達したDeepRoute.ai。量産型のレベル4自動運転車を開発・製造し、2024年から発売開始する計画も明らかになっており、注目度が高まっている。
中国では百度(Baidu)やPony.ai、WeRide、AutoX、Momentaなどライバルが多いが、その中でどれだけ存在感を高めていけるか、注目だ。
▼DeepRoute.ai公式サイト
https://deeproute.ai/
【参考】関連記事としては「レベル4自動運転車、「量産」は中国の独壇場か 百度も大量製造へ」も参照。