自動運転車、「ハンドルがない」のにデザインはほぼ変わらず?

Waymoと吉利のコンセプトカーから考える



出典:Waymo公式ブログ

完全自動運転車は人による運転が想定されておらず、運転手(そもそも「運転手」という概念もないが…)が前を向かねばならない理由もなく、当然、運転席も必要ない。ハンドルやブレーキなどのペダル類も不要だ。そのため車内デザインは自由度が大きく増すはずだ。

しかし、グーグル系の自動運転開発企業である米Waymoと中国自動車大手の浙江吉利控股集団が2021年12月28日に発表した自動運転EV(電気自動車)は、ハンドルがないにも関わらず、従来の自動車とあまり変わらないデザインに見える。


いま各社が発表している完全自動運転車は、ほぼコンセプトの段階にとどまるが、ハンドルがない完全自動運転車が、将来的には従来の自動車のデザインから完全に脱却する日は来るのだろうか。もしくはこれまでの車両のデザインがある程度踏襲されるのだろうか。

■「Zeekr」の専用モデルにWaymoのシステムを搭載

新たに発表されたのは、吉利汽車の「Zeekr」の専用モデルにWaymoの自動運転システム「Waymo Driver」が搭載されている車両だ。

Zeekrにはハンドルがなく、フラットフロアやフルアジャスタブルシートが備えられており、上部と足元は広い空間となっている。自動運転タクシー用にスウェーデンで特別に設計されたという。

Waymoは今後数年で、自動運転タクシー「Waymo One」に合わせて設計されたZeekrにWaymo Driverを統合する予定だという。


■将来の自動運転車のデザインは全く異なるものに?

今回発表された車両は従来の車両に似たデザインだが、将来もし全く異なる自動運転車のデザインが主流になるとすれば、どのようなデザインになるだろうか。窓の代わりにディスプレイを配置したり、前を向く座席ではなく向かい合わせの座席が採用されたりするのか。

「これぞ自動運転車!」と思わせるようなデザインは、今後どのようなデザインになっていくのか、気になるところだ。

▼Waymo公式サイト
https://waymo.com/
▼浙江吉利控股集団公式サイト
http://zgh.com/?lang=en

【参考】関連記事としては「中国Yutongの自動運転バスに世界的工業デザイン賞!どんな車両?」も参照。


記事監修:下山 哲平
(株式会社ストロボ代表取締役社長/自動運転ラボ発行人)

大手デジタルマーケティングエージェンシーのアイレップにて取締役CSO(Chief Solutions Officer)として、SEO・コンテンツマーケティング等の事業開発に従事。JV設立やM&Aによる新規事業開発をリードし、在任時、年商100億から700億規模への急拡大を果たす。2016年、大手企業におけるデジタルトランスフォーメーション支援すべく、株式会社ストロボを設立し、設立5年でグループ6社へと拡大。2018年5月、自動車産業×デジタルトランスフォーメーションの一手として、自動運転領域メディア「自動運転ラボ」を立ち上げ、業界最大級のメディアに成長させる。講演実績も多く、早くもあらゆる自動運転系の技術や企業の最新情報が最も集まる存在に。(登壇情報
【著書】
自動運転&MaaSビジネス参入ガイド
“未来予測”による研究開発テーマ創出の仕方(共著)




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