自動運転タクシーの商用サービス提供で「世界初」の称号を手にしているグーグル系ウェイモ。自動運転タクシーではまさに業界トップと呼んでいい地位を築いているが、その座はいずれ自社を離れていったエンジニアよって脅かさせるかもしれない…。
ウェイモ出身の4人のエンジニアが2019年3月に設立したQCraftという企業が、いま勢いに乗っている。米シリコンバレーと中国に拠点を持ち、この新型コロナウイルスの感染拡大の最中、金額にして8桁ドルの資金調達を果たしたことを発表した。その額は2400万ドル(約26億円)以上だと報道されている。
この企業には既に優秀な技術者たちが集まり始めている。米EV大手のテスラ、米ウーバーの自動運転開発部門「Uber ATG」、米自動車大手フォード、半導体大手エヌビディアなどのほか、Facebook出身のエンジニアもいる。
予測技術、センシング技術、車体技術…。さまざまな技術に精通したエンジニアがいることを、同社は自社の公式サイトで強調している。
■カリフォルニアで既に公道実証、中国に拠点も
QCraftは既にカリフォルニア州から公道実証の認可を受け、2019年8月から実際にテストを開始している。注目すべきは創業間もないながら既に中国でも拠点を設けていることだ。同年11月に深センにはオペレーションセンターを、12月には北京で研究開発センターを立ち上げている。
今回調達した資金は、同社はシミュレーション技術や自動運転のための運転計画策定・決定技術の開発に充てるようだ。
QCraftの公式YouTubeチャンネルでは、これまでに同社が行った実証実験の様子を観ることができる。いまはまだYouTubeのチャンネル登録者数が9人しかいない同社だが、2020年に一気に存在感が高まるかもしれない企業の一社であると言えそうだ。
【参考】関連記事としては「【海外版】自動運転関連技術を開発するベンチャー・スタートアップ企業まとめ 国別に紹介」も参照。