中国の自動運転スタートアップPony.ai(小馬智行)が、自動運転技術の開発だけではなく完成車まで手掛けようとしているようだ。すでに担当チームが立ち上げられていることが、関係者の話として中国のテックメディア「メディア36Kr」に報じられた。
■まずは自動運転タクシー用の完成車をつくる?
トヨタから約4億ドル(約440億円)の出資を受けていることでも知られるPony.ai。同社は自動運転技術の開発や自動運転タクシーの事業化に取り組んでおり、報道によれば、すでに完成車をつくるプロジェクトに向け、年初から準備を開始しているという。
担当チームには十数人がメンバーとして参加しているようで、複数の大手自動車メーカーから管理職の引き抜きを行おうとしているとの情報もある。
現時点では乗用車型の自動運転車を想定していると予想されており、これまでにPony.aiが自動運転タクシーの実証実験を行っていることを考えると、恐らく市販車としてではなく、まずは自動運転タクシー用の完成車を目指しているのではないか。
自社工場を立ち上げて製造するのか、設計を除いた製造部分を外部委託するのか、なども現時点では分かっていないが、現実的な選択肢としては後者が考えられる。いわゆる「ファブレス」(工場無し)で自動運転車を完成させるというやり方だ。
■「完成車」までを手掛けるのが新たなトレンドに?
今回のニュースは、スタートアップ企業のPony.aiが完成車までを手掛けるという内容だが、自動運転技術を開発している企業が完成車までを手掛けようとする例は決して少なくはない。
例えば、中国スマホ大手のシャオミ(小米)やIT大手の百度(バイドゥ)、ライドシェア大手のDiDi Chuxing(滴滴出行)などだ。ただし、スタートアップ企業が製造にまで乗り出すという話は、現時点ではあまり多くは聞かない。
今回のPony.aiの動きが着火点となり、自動運転技術の開発を事業とするスタートアップが完成車を手掛け始めるのは、新たなトレンドとなっていくかもしれない。自動運転業界のほかのスタートアップ企業がどういう動きを見せるか、引き続き注目だ。
【参考】関連記事としては「トヨタ、自動運転スタートアップの中国Pony.aiに4億ドル出資 その狙いは?」も参照。