人工知覚(AP)技術などを有するKudan株式会社(本社:東京都渋谷区/代表取締役CEO:項大雨)は2020年2月14日までに、インド工科大学ボンベイ校(IIT Bombay)に所属する自動運転車開発チーム「Team SeDriCa」のスポンサーに就任したことを発表した。
Kudanはこのスポンサーシップを通じて、自社で開発するLiDAR SLAMソフトウェアを提供し、インド初の自動運転レベル4(高度運転自動化)相当の自動運転車両開発を目指すTeam SeDriCaをサポートしていくという。
■国際ロボコンで優勝実績もあるTeam SeDriCa
Team SeDriCaは、陸空両方での自動運転の開発に特化したインド工科大学ボンベイ校の技術チーム「Unmesh Mashruwala Innovation Cell」に所属する自動運転車開発チームだ。
同チームは、2017年に米ミシガン州で開催された国際ロボットコンテスト「第25回Intelligent Ground Vehicle Competition」で優勝した実績を持つ。その後、自動運転プラットフォーム開発を開始した。
Team SeDriCaのスポンサーとしてはこれまでに、半導体大手の米NVIDIAやLiDAR大手である米Velodyne Lidar、自動車部品大手の独Continentalなどが名を連ねている。
■「GrandSLAM」をTeam SeDriCaに提供
そんなTeam SeDriCaのスポンサーとなったKudanは、日本とイギリスの2拠点で開発を行う企業で、人工知覚(AP)の研究開発に取り組んでいる。2018年12月に東証マザーズに上場した。
そんなKudanはLiDARとカメラの両方のセンサーによるSLAM技術を保有しており、Team SeDriCaに提供するのは、自己位置推定と環境地図作成を同時に行うことができるソフトウェア「GrandSLAM」だ。
Kudanは、2019年8月にシステム開発の日本ユニシスと自動運転やMaaS分野での協業を発表し、同年9月には自動運転ソリューションプロバイダーのマクニカと業務提携を発表するなど、自動運転業界でも注目を集めている。
■【まとめ】インドはある意味、最高の実証環境
日本貿易振興機構(JETRO)の調査によれば、2019年におけるインドの新車登録・販売台数は、国別で中国・米国・日本・ドイツに続く5位であり、自動車業界にとっては重要市場だ。
ただ、インドの都心部での渋滞は深刻で、牛などの動物が道路を歩く光景も一部地域では日常茶飯事だ。そんな中でTeam SeDriCaは自動運転レベル4に挑戦するわけだが、見方を変えれば挑戦するフィールドとしては「相手にとって不足なし」だ。
そんなインドをすいすい走れる自動運転レベル4を実現すれば、他国にもその技術を展開しやすくなるはずだ。KudanのサポートでTeam SeDriCaの技術がどこまで進化するのか、動向に注目したい。
【参考】関連記事としては「AP技術有するKudan、自動運転領域で半導体商社マクニカと提携」も参照。