東京大学発AIベンチャーのTRUST SMITH株式会社(本社:東京都文京区/代表:渡辺琢真)は2020年12月6日までに、東京大学生産技術研究所の小野晋太郎特任准教授と学術指導契約を締結し、閉鎖空間におけるトレーラーの自動運転技術の開発をスタートしたことを発表した。
TRUST SMITHはこれまで、自動運転に必要な独自の技術開発に取り組んできた。これらの技術を小野氏のバックアップでブラッシュアップし、閉鎖空間におけるトレーラーの自動運転技術の開発を進めるという。
報道発表によれば、小野氏の専門は「機械情報モビリティ工学」で、研究テーマは「CG・運転シミュレーション」「センシング・モデリング」「時空間画像解析」などだという。
運送業界はいま、EC(電子商取引)需要の拡大や慢性的な人手不足もあり、物流車両の自動運転化に対する期待感は高い。それだけにTRUST SMITHと小野氏の取り組みには関心が集まりそうだ。
■物流車両の自動運転化、国内外で積極的な動き
物流車両の自動運転化の取り組みは現在、国内外で積極的に進められている。
例えば、米中に拠点を有するTuSimpleは、自動運転レベル4の自動運転トラックの技術開発に取り組んでおり、2018年からアリゾナ州で自動運転トラックの実証実験を開始している。自動運転タクシーを初めて商用サービスとして展開したGoogle系Waymo(ウェイモ)も、自動運転トラックの実証実験に取り組み始めている。
日本国内では自動運転トラックの実証実験はアメリカほど進んではいないが、通信大手のソフトバンクが2020年2月、新東名高速道路で次世代通信規格「5G」を活用したトラック隊列走行の実証実験を成功させ、注目を集めた。
製造業や運送業での自動運転技術活用のニーズは年々高まっている。そうした中でのTRUST SMITHの発表。日の丸スタートアップによる「自動運転×物流」の取り組みに引き続き注目だ。
【参考】関連記事としては「Googleの自動運転トラック、”世界初”商用化へマジック点灯?」も参照。