高級車メーカー大手の英ジャガー・ランドローバーは2020年11月26日までに、アイルランドの非営利団体「Future Mobility Campus Ireland」(FMCI)と連携し、自動運転やコネクテッドカーなどの技術を現実世界において実証できる「SMART CITY HUB」をアイルランドに開設すると発表した。
SMART CITY HUBには12キロの公道のほか「スマートジャンクション」「コネクテッドカーパーク」と呼ばれる施設があり、自動運転車が自動車や歩行者と共存できるテクノロジー施設を目指すようだ。
SMART CITY HUBで実施される自動運転の実証実験には、ジャガー・ランドローバーのEV(電気自動車)「I-PACE」が使われ、さまざまな道路環境や交通シーンで最新の自動運転技術を試していくという。
こうした自動運転の走行を支える管制センターも敷地内に開設されるほか、自動バレーパーキングを試せる駐車場施設も用意されるようだ。
■自動運転をリアルでテストする「街」が続々
自動運転技術は仮想空間での実証実験も盛んに行われているが、それでもやはり現実世界での実証実験は欠かせない。そのためSMART CITY HUBのような試験施設は非常に重要な役割を担っている。
そして自動運転の試験が行える「街」は世界に点在している。例えばアメリカでは、ミシガン大学が自動運転技術を検証するための施設として、市街地や郊外の道路を再現したミニタウン「M City」を建設している。
シンガポールでは、自動運転車の研究開発に力を入れる南洋理工大学(NTU)がテストセンターを設けている。電波障害実験のためのビルがあるほか、「雨ゾーン」も備えている。韓国には国主導でつくられた疑似都市「K-City」があり、自動運転の走行試験が可能だ。
■こうした街は世界中でさらに増える!?
日本でもトヨタがコネクティッドシティとして「Woven City(ウーブン・シティ)」構想を発表し、2021年2月に着工予定だ。
Woven CityもSMART CITY HUBも、ともに自動運転技術の進化を支える「街」となる。実証実験がさらに盛んに行われるようになれば、こうした街は世界中でさらに増えていくかもしれない!?
【参考】関連記事としては「ミシガン州「自動運転の街」で復活へ 5G配備の”住めない街”も」も参照。