京東グループ、中国初の「5Gスマート物流倉庫」建設 自動運転技術やAR眼鏡も導入

機能や効率性、一層高める目的



出典:JD.com京東日本株式会社プレスリリース

中国ECサイト大手の京東集団(代表:劉強東)は2019年3月31日までに、物流子会社の京東物流が中国初の「5Gスマート物流モデルセンター」を上海に建設し、年内に運用を開始すると発表した。

京東グループは2007年に物流網を整備して以来、「物流のスマート化」などの分野で技術開発や研究を重ねてきた。2014年には超大型スマート物流センターを上海に建設し、高度なオートメーション化とシステム性を備えた物流拠点を整備した。2017年には、入庫や検品、梱包、出庫などの全行程をスマート化した「無人倉庫」も立ち上げている。


今回発表した5Gスマート物流モデルセンターでは、5G技術を活用して倉庫内のデジタル化に取り組むようだ。具体的な取り組みとして9点挙げている。自動運転技術なども駆使し、物流センターとしての機能や効率性をさらに高めようという狙いがあることが分かる。

▼「5Gスマート物流モデルセンター」で取り組まれる内容
・5G技術に基づき、センター内の無人機械・無人車両による巡回検査と人的警備を融合します。リアルタイムの監視・コントロールの実現により、人・車両・管理システムの異常を察知します。
・全センターの情報監視システムにより、センター内の倉庫・仕分けにおける部門別の権限をコントロールします。
・コントロールシステムにより、全ての搬送・仕分け・積載用のロボットのコントロール、倉庫内のフォークリフト、パレット、通い箱(プラスチックダンボール)などの追跡や設備の監視を可能にします。
・顔認識システムにより従業員を管理します。
・全センターでスマート車両による自動運転を採用します。
・5G技術の位置認識技術により、自動配送車の進入路線と最適停車位置の自動計算を行います。
・倉庫内に置かれている商品の体積を自動的に識別することにより、最適な車両を配置し、搭載効率を向上させます。
・AR眼鏡による指示の可視化により、作業者の商品識別スピードの向上・作業効率を上げます。
・荷物のリアルタイム追跡と物流全工程にわたる映像監視システムにより、顧客が荷物の現在状況をいつでも照会できるようになります。また配送が遅延する場合においても、予め顧客に知らせすることができます。

京東グループは2017年に日本法人「JD.com京東日本株式会社」(本社:東京都千代田区/日本業務最高責任者:荒井伸二)を立ち上げ、日本企業の中国進出をサポートするサービスなどを展開している。

【参考】関連記事としては「韓国で「5Gバス」が世界初登場…VRなど利用可能 自動運転領域での活用も」も参照。



関連記事