I・TOP横浜の路線バス自動運転プロジェクトに、日本モビリティが参画

2020年7月に「遠隔監視・操作」で2度の実証実施



出典:横浜市プレスリリース

新たなビジネス創出に向けた横浜市主導の「I・TOP横浜」の取り組みの一環として、相鉄バスと群馬大学は同市と共同で「路線バス自動運転プロジェクト」に取り組んでおり、このほど新たに群馬大学発ベンチャーである日本モビリティが参画したことが発表された。

この発表にあわせ、7月に2度の実証実験を実施したことも明らかにされた。運転席が無人の大型バスを遠隔監視・操作で自動運転させるというもので、27日に市内にある相鉄バスの営業所、29日によこはま動物園と里山ガーデンを結ぶ約900メートルで実施されたという。


27日の実証実験では相鉄バスの営業所内に周回コースを設け、大型バスを最高時速10キロで走行させた。29日の実証実験は最高速度を20キロに上げ、実施されたという。

2020年度中にさらに営業運行の実証実験も実施する予定で、報道発表では「今後もさまざまな実証実験やそれによる社会受容性の向上、公共交通機関網強化の可能性を検証し、自動運転『レベル4』による営業運転を目指します」としている。

自動運転レベル4は、特定のエリア内で完全に運転をシステムに任せることができる段階を指す。日本語では「高度運転自動化」と表現される。

【参考】自動運転レベル4については「自動運転レベル4の定義や導入状況を解説&まとめ 実現はいつから?|自動運転ラボ」も参照。


■設立ほやほやの日本モビリティが参画

今回実証実験が実施された路線バス自動運転プロジェクトでは、「持続可能なモビリティサービスの実現」「郊外部の交通ネットワークの維持」「労働力不足への対応」を3本柱を目標に掲げ、取り組みを行ってきた。


2019年には9〜10月の16日間にわたって、大型バスの営業運行で自動運転の実証実験を実施しており、この期間において約5000人が乗車している。

このプロジェクトに新たに加わった日本モビリティは、2020年7月に設立されたばかりの群馬大学発のベンチャー企業だ。同社は自動運転の導入計画から実装後までをワンストップで支援する「無人移動サービス導入パッケージ」の全国展開を掲げており、今回のプロジェクトへの参画を通じて存在感が高まっていきそうだ。

記事監修:下山 哲平
(株式会社ストロボ代表取締役社長/自動運転ラボ発行人)

大手デジタルマーケティングエージェンシーのアイレップにて取締役CSO(Chief Solutions Officer)として、SEO・コンテンツマーケティング等の事業開発に従事。JV設立やM&Aによる新規事業開発をリードし、在任時、年商100億から700億規模への急拡大を果たす。2016年、大手企業におけるデジタルトランスフォーメーション支援すべく、株式会社ストロボを設立し、設立5年でグループ6社へと拡大。2018年5月、自動車産業×デジタルトランスフォーメーションの一手として、自動運転領域メディア「自動運転ラボ」を立ち上げ、業界最大級のメディアに成長させる。講演実績も多く、早くもあらゆる自動運転系の技術や企業の最新情報が最も集まる存在に。(登壇情報
【著書】
自動運転&MaaSビジネス参入ガイド
“未来予測”による研究開発テーマ創出の仕方(共著)




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