群馬大学はこのほど、大学発ベンチャー企業として日本モビリティ株式会社(本社:群馬県前橋市/代表取締役社長:小峰千紘)が設立されたことを発表した。設立は2020年7月15日付。
群馬大学と言えば、自動運転分野で一際存在感が高い大学の1つだ。この記事では日本モビリティの今後の取り組みについて焦点を当てつつ、群馬大学のこれまでの自動運転分野での歩みの一端を紹介していこう。
■自動運転の導入計画から実装後までワンストップ支援
日本モビリティは、群馬大学に所属する小木津准教授の経験やノウハウをベースに、自動運転関連の取り組みを行っていくようだ。
業界初となる「無人移動サービス導入パッケージ」を構築して全国展開し、他社との業務提携によるパッケージの高度化などに努めていくという。
このパッケージは、自動運転の導入計画から実装後までをワンストップで支援するもの。自動運転の走行路線を多角的に分析した上で導入計画を立て、実証実験を通じて計画の妥当性も検証し、最終的なサービス提供の実現までを支援するという。
■群馬大学、CRANTSの設立など通じて実証実験など積極的に
群馬大学は2016年、次世代モビリティシステムの社会実装研究や人材育成を目的に、「次世代モビリティ社会実装研究センター(CRANTS)」を設立した。2018年5月には、約6000㎡の専用試験路実験フィールドを備えた拠点を整備している。
群馬大学での自動運転研究は「自動運転技術はクルマづくりではなく街づくりだ」という考え方に基づき、走行ルートが決まった路線バスや物流トラックなど向けの自動運転技術の研究に力を入れてきた。
CRANTS発足前から地元・桐生市の公道で実証実験に取り組んでおり、以後、北海道札幌市や兵庫県神戸市などと連携し、これまでに40以上もの実験を実施してきた。民間企業との連携にも積極的だ。国土交通省の新モビリティサービス推進事業に選定された「前橋版MaaS」にも参加している。
群馬大学に関しては、自動運転ラボを運営する株式会社ストロボの代表取締役である下山哲平が2019年9月、同大学の次世代モビリティオープンイノベーション協議会が開いた「第8回社会実装連携研究会」に招聘され、「超小型モビリティの可能性〜近未来交通の手段として」と題した講演を行っている。
■【まとめ】満を持して登場の群馬大学発ベンチャー
自動運転研究で存在感を示す群馬大学から、新たな大学発ベンチャーが誕生した。自動運転の実用化に向け、今後支援を求める自治体や民間企業は増えると考えられ、同社の事業は有望だと考えられる。
大学という枠に留まらず、自動運転ビジネスを展開する日本モビリティの活動に、今後注目だ。
【参考】関連記事としては「自動運転で存在感!群馬大学の取り組みまとめ」も参照。