【資料解説】自動走行ビジネス検討会、新設WGの取り組みは?

サービスカー協調WGと次期プロジェクトWG



出典:経済産業省・自動走行ビジネス検討会ウェブサイト

自動走行ビジネス検討会は2021年3月15日までに、「自動走行の実現及び普及に向けた取組報告と方針」のVersion5.0の概要案を公表した。この資料では、2020年度に新設された「サービスカー協調WG」と「次期プロジェクトWG」についても紹介されている。

この記事では、新設されたこの2つのWG(ワーキンググループ)に焦点を当てて解説していく。







▼自動走行ビジネス検討会報告書「自動走行の実現及び普及に向けた取組報告と方針」Version 5.0
https://www.meti.go.jp/shingikai/mono_info_service/jido_soko/pdf/012_s01_00.pdf

■「サービスカー協調WG」について

サービスカー強調WG(ワーキンググループ)では、無人自動運転サービスの実証実験実施者が安全で円滑に実験に取り組み、事業化を目指せるよう、以下について取り組みの方向性を取りまとめている。

  • 実証実験の方針や安全対策の取組に係る情報発信や評価
  • 自動運転車のセーフティドライバーの教育
  • 自動運転サービスの導入に当たっての地域への情報発信や対話

たとえば「実証実験の方針や安全対策の取組に係る情報発信や評価」では、米NHTSA(運輸省高速道路交通安全局)の項目を参考にしつつ、日本の制度や各社の事情、実証実験の目的などによって、各社で情報発信を行う項目を判断することが望ましいことを挙げている。

「自動運転車のセーフティドライバーの教育」という項目では、座学に加えて閉鎖空間と実地の両方で訓練を行い、習得した能力を確認するための認証制度を実施することなどが例として挙げられている。

「自動運転サービスの導入に当たっての地域への情報発信や対話」では、サービスの実施者と地域の人の双方的のコミュニケーションや、キーマンとなる住民には主体的に運営に協力してもらうことが重要であること、などを挙げている。

出典:経済産業省
■「次期プロジェクトWG」について

一方、次期プロジェクトWGでは無人自動運転サービスの社会実装に向けた「次期プロジェクト工程表」を取りまとめており、2021年度から2025年度までの5年間で取り組むべきこととして4つのテーマを掲げている。

  • テーマ1:遠隔監視のみ(レベル4)で自動運転サービスの実現に向けた取組
  • テーマ2:さらに、対象エリア、車両を拡大するとともに、事業性を向上するための取組
  • テーマ3:高速道路における隊列走行を含む高性能トラックの実用化に向けた取組
  • テーマ4:混在空間でレベル4を展開するためのインフラ協調や車車間・歩車間の連携などの取組

「テーマ1:遠隔監視のみ(レベル4)で自動運転サービスの実現に向けた取組」では、廃線跡などの限定エリアにおいて、自動運転レベル4相当の遠隔監視のみの自動運転サービスを低速車両で実現するとしている。目標時期としては「2022年度目途」としている。

「テーマ2:さらに、対象エリア、車両を拡大するとともに、事業性を向上するための取組」では、自動運転レベル4のサービスを多様な車両を用いて2025年度までに40カ所以上で実現させるとしている。

「テーマ3:高速道路における隊列走行を含む高性能トラックの実用化に向けた取組」では、2025年度以降に高速道路でレベル4自動運転トラックの走行や、自動運転車両を活用した隊列走行を実現させることに触れている。

「テーマ4:混在空間でレベル4を展開するためのインフラ協調や車車間・歩車間の連携などの取組」では、2025年頃までにさまざまな地域の混在交通下において、協調型システムによって自動運転レベル4のサービスを展開するとしている。

出典:経済産業省
■【まとめ】自動走行ビジネス検討会の動向に注目を

「自動走行ビジネス検討会」は、自動走行のビジネス化を推進するため、2015年2月に設置された組織だ。産官学連携で取り組んでおり、トヨタや日産、ホンダなどの自動車メーカーをはじめ、サプライヤーや有識者らが参加している。

日本における自動運転社会の実現に向けた取り組みを俯瞰する上で、自動走行ビジネス検討会の動きは着目すべき重要な要素だ。引き続き、自動走行ビジネス検討会の動向をウオッチしていきたい。

記事監修:下山 哲平
(株式会社ストロボ代表取締役社長/自動運転ラボ発行人)

大手デジタルマーケティングエージェンシーのアイレップにて取締役CSO(Chief Solutions Officer)として、SEO・コンテンツマーケティング等の事業開発に従事。同業上場企業とのJV設立や複数のM&Aによる新規事業開発をリードし、在任時、年商100億から700億規模への急拡大を果たす。2016年、大手企業におけるデジタルトランスフォーメーション支援すべく、株式会社ストロボを設立。設立3年で、グループ4社へと拡大し、デジタル系事業開発に従事している。2018年5月、自動車産業×デジタルトランスフォーメーションの一手として、自動運転領域最大級メディア「自動運転ラボ」立ち上げ、業界最大級のメディアに成長させる。講演実績も多く、早くもあらゆる自動運転系の技術・会社の最新情報が最も集まる存在に。
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