Amazon、自動運転へのアプローチ本格化!トラック無人化へ、Plusの株式取得へ

配送ロボScoutにも注目、次世代の物流網構築へ



EC(電子商取引)世界最大手の米Amazonは2021年6月24日までに、自動運転トラック向けの技術開発を手がける中国系の新興企業Plus(旧社名:Plus.ai)に対し、1,000台分の自動運転システムを発注したようだ。米メディアなどが報じた。Plusの株式を最大20%取得する協議も進めているという。


詳細は今後明らかになってくると思われるが、AmazonはPlusの自動運転技術をトラックに搭載し、将来的には自動運転トラックを使った低コストな無人配送網を確立しようとしていることが考えられる。

ちなみにPlusは2021年5月、アメリカ市場においてSPAC上場する計画をすでに発表しており、Amazonから受注を受けたこともあり、上場の際には大きな注目を集めることとなりそうだ。

■Amazon、Zooxの買収にScoutの開発も

ここ数年のAmazonの自動運転へのアプローチぶりは目を見張るものがある。例えば2020年6月には、自動運転タクシー向けの技術を開発する米スタートアップZoox(ズークス)の買収を発表している。

2014年設立のZooxは当時1,000人以上のエンジニアを抱え、米カリフォルニア州の車両管理局(DMV)から「セーフティドライバーなし」の自動運転車の公道試験許可を得ていた。このことから、Amazonが将来的に自動運転タクシーを始めるのでは、との臆測も流れた。


また、小型の自動配送ロボット「Amazon Scout」の開発を進めていることでも知られる。このAmazon Scoutは配送拠点から届け先までのラストワンマイルで活躍することを想定したロボットで、実用化に向けた試験配送もすでに始まっている。

【参考】関連記事としては「米Amazonの自動運転配達ロボ「Scout」、試験の場を拡大中」も参照。

■2つのピースを揃えたAmazon

長距離輸送用の自動運転トラック、短距離配送用のロボット・・・。恐らくAmazonはこの2つのピースを揃え、次世代の物流ネットワークを構築しようとしているのだろう。

であればそう遠くない将来、Plusの技術を搭載した自動運転トラックの実証実験も始まることになりそうだ。

記事監修:下山 哲平
(株式会社ストロボ代表取締役社長/自動運転ラボ発行人)

大手デジタルマーケティングエージェンシーのアイレップにて取締役CSO(Chief Solutions Officer)として、SEO・コンテンツマーケティング等の事業開発に従事。JV設立やM&Aによる新規事業開発をリードし、在任時、年商100億から700億規模への急拡大を果たす。2016年、大手企業におけるデジタルトランスフォーメーション支援すべく、株式会社ストロボを設立し、設立5年でグループ6社へと拡大。2018年5月、自動車産業×デジタルトランスフォーメーションの一手として、自動運転領域メディア「自動運転ラボ」を立ち上げ、業界最大級のメディアに成長させる。講演実績も多く、早くもあらゆる自動運転系の技術や企業の最新情報が最も集まる存在に。(登壇情報
【著書】
自動運転&MaaSビジネス参入ガイド
“未来予測”による研究開発テーマ創出の仕方(共著)




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