ひろゆき新党、公約に「自動運転の解禁」掲げる?

テスラのサイバーキャブにも反応



出典:Wikipedia / Joichi Ito

実業家のひろゆき氏が連日、SNSに自動運転に関する投稿を行い、話題となっている。テスラのサイバーキャブに関するポストに端を発する形でレスが伸び、ひろゆき氏も発言を重ねていった格好だ。

良くも悪くもその発言に大きな影響力を持つひろゆき氏。同氏のポストにはさまざまな意見が寄せられており、見方を変えれば、自動運転に対する社会受容性にも影響するのではないだろうか。


ひろゆき氏は2026年7月、参議院議員の泉房穂氏と政治団体「ひろゆき&いずみ新党(仮)」を立ち上げたばかりだ。もしかしたら、新党の公約に「自動運転社会実現」を掲げる可能性も……?と想像してしまう。

ひろゆき氏×自動運転の動向を追ってみよう。

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■ひろゆき氏の発言概要

テスラのサイバーキャブに反応

ひろゆき氏は9月4日、テスラの自動運転タクシー専用モデル「Cybercab(サイバーキャブ)」を体験したSawyer Merritt氏の投稿に対し、SNS「X」に以下の発言を寄せた。

・運転手の居ないタクシー、サイバーキャブ。人間の運転手は居ないので、バックミラーが無く後部にガラス窓がない。サイドミラーも無い。人間の視界で死角になる部分を気にしなくていい。人間の制約を排除して車体剛性を高められる。構造的には人間のタクシーより安全な車体。


この投稿に多くの反応が寄せられ、ひろゆき氏も一部コメントにレスする形で連日自動運転について発言を重ねた。


・自動運転は「自分で運転しなくて便利」というレベルではないです。24時間働く無給の運転手付き自動車です。車で居酒屋に行って車で帰れます。公共交通のない地方で高齢者が行きたい場所、会いたい人にいつでも会いに行けます。国内旅行も電車の乗り換えも考えず、行き先を伝えるだけで目的地到着。(9月5日)

・去年、人間の運転手は2547人殺しました。人間の運転手が殺す数よりも自動運転が殺す数が少ないなら助かる命が増える。「自動運転は完璧になるまで導入するな」という人は事故死者を減らす事に反対してるんだけど、どういう理屈?機械が1人殺すのは許せないけど、人間が1人殺すのはOKって事?(9月6日)

・自動運転は普通の人より運転上手で、集中力も無限に続くので、突然の飛び出しや細い道でも問題ないんですよね。「日本の道は特殊」と言う人が居るけど、他の国にも細い道も飛び出しもありますよ、、(9月7日)

一連の投稿に対する反応は、以下の通りだ。

・これはええやん!ただ、利用者が「どうやって操作するのか」をどのように周知させるかが重要ですよね?🤔初めてサイバーキャブを見た人でも、迷わず使える仕組みが必要そう。
・運用途中の雪とかゲリラ豪雨とかの場合はどうなるんですかね?非常時用に少しは人力のタクシーも必要にはなるのかな?もちろん自動運転タクシーは必要と言うか切り替わって行くとは思いますが!
・ロボタクシーって、商用化されて約8年経つが、全米で約4,000台ぽっち。全タクシー車両の約0.3〜0.4%に過ぎず、課題も多い。Googleが技術も資金もかなり投下したが、まだまだヨチヨチ歩き。全然イケてない。しょせんは地域限定のレベル4にすぎず、そんなに大したことない。
・これは怖い 車の故障で安全停止機能そのものまで故障したとき、「自動運転が失敗したら人間が介入する」という最後の冗長系を捨てている完全に機械に命を預ける感じがなんとも… 警察に止められるときはどう処理するのだろう?GPS障害+通信障害といったインフラ障害が重なった時が怖い。
・自動運転での事故の責任が自動車メーカーなら保険は入らなくても大丈夫でしょうか。
・ソフトウェアが共通でいつのまにかアップデートされるので、バグ入り自動運転車だらけになったりもしそうです。そういう時の対策は何があるのか気になります。
・【自動運転優先法】(略) 何人も、陸路、水路、航路又は航空において自律移動体と交差、接近又は並走する場合は、自律移動体の通行を優先させなければならない。みたいなの欲しい!
・自動運転の技術を使って、人間が運転するが、高次元な事故を回避するシステムもできるはずです。要は教習車ですね 責任の所在の懸念がある以上、私はそれでいいと思っています。高速道路は自動運転にしてもらえればうれしいですが 私は自動運転中に事故で乗員が亡くなるのが一番受け入れがたいです
・3万ドル以下で販売するらしいですね。日本で販売されたら私は絶対に購入します。ひろゆきさんと泉房穂さんの政党が政権を取って、チームみらいと組んでテクノロジーを日本に発展させてほしい。自民党はジジババばかりでダメすぎる⋯

ひろゆき氏の投稿を目にする層は非常に幅が広く、賛否が入り混じったバラエティ豊かな反応が寄せられる。単純な非難目的の意見も少なくないが、面白い視点・観点が集まりやすい。これまで自動運転に関心がなかった人も巻き込まれている点もポイントだ。

今のご時世、お役所的に社会受容性向上を図るより、インフルエンサーに案件として扱ってもらったほうが効果があるのだろうか。少なからず、ひろゆき氏クラスの情報発信力・訴求力は社会に影響を及ぼすだけの力を有しているようだ。

2026年夏に泉房穂氏と新党立ち上げ

さて、ひろゆき氏は2026年7月、参議院議員の泉房穂氏とタッグを組み、政治団体「ひろゆき&いずみ新党(仮)」を設立した。どこまで本気なのかいまいちつかみきれないところだが、ひろゆき氏が政治領域に正式に足を踏み入れたことに違いはない。

ひろゆき氏によると、新党は、首長になろうとする人を応援する団体という。「政治家って公約守らないよね」といった事象を背景に、やると言ってやらなかった場合は公正証書を作って給与を差し押さえるなど、公約を守ることに強制力を持たせるという。

新党としての公約はまだ固まっていないそうだが、「国力は人口と教育レベルに相関する」という事実から、少子化対策などを検討しているようだ。国政を見据えて動くのか、地方公共団体の首長がメインとなるのかなど方針は不明で、党としてどのような形で公約を掲げるのかも謎な部分が多い。

おそらく、第一段階としては地方公共団体の首長がターゲットとなりそうなため、自動運転を党の公約に入れる可能性は低いだろう。しかし、支援を受ける候補者が自動運転施策を盛り込めば、その公約を守らせる立場となる。党として、間接的に各種施策を注視していくことになるのではないだろうか。

こうした施策で興味深いものをひろゆき氏や泉氏がピックアップし、SNSで紹介・解説していくと盛り上がりそうだ。

「〇×市で自動運転バスの運行が始まりました。レベル4は~~将来的なコストは~~課題は~~」といった感じで紹介すれば注目度が高まる。さらには、普段自動運転ネタを取り扱わない芸能系メディアなども「ひろゆき氏が~」と拾い上げることで、新たな層にアプローチすることができる。

諸刃の剣的側面もあるだろうが、社会受容性向上に対してはこうした手法も有用ではないだろうか。

過去にもたびたび自動運転に言及

なお、ひろゆき氏は9月2日にも以下の投稿を行っている。

・日本はライドシェアのUberすら導入されないのに、アメリカではタクシーもトラックも無人運転。少しづつ研究開発と技術レベルとコストの差が開いていって、ちょっとづつ貧しくなっていく。

動画系メディアでも、たびたび自動運転に言及しているようだ。ビジネス動画メディア「ReHacQ」では2023年、自動運転車の事故問題に言及し、損害賠償を国が行うことで自動運転開発が促進され、世界中の開発企業が集まり日本の技術も上がる――といった主旨の発言を行っている。

事故の際、国がケツを持つことで開発各社が安心して公道走行を行える環境を構築するアイデアだ。

一方、ニュース番組「ABEMA Prime(アベプラ)」に出演した2026年には、自民党政権によってライドシェアが拒絶されたことを踏まえ、「自民党である限り、自動運転はどこも勝たないで終わりじゃないか」――と指摘している。

タクシー業界への忖度が働き、イノベーションが起こりづらい……といった主旨の発言だ。

【参考】関連記事「ひろゆき「自民党で自動運転はムリっす」」も参照。

ひろゆき「自民党で自動運転はムリっす」

■【まとめ】情報発信力を武器に自動運転を推進?

ひろゆき氏が自動運転推進派であることは間違いない。政治に足を踏み入れようとしているが、そもそもひろゆき氏ゆえ、新党を立ち上げようと今と変わらない気もする。

情報発信力を武器に声を上げ、世論に影響を及ぼすことができるか、要注目だ。

記事監修:下山 哲平
(株式会社ストロボ代表取締役社長/自動運転ラボ発行人)

大手デジタルマーケティングエージェンシーのアイレップにて取締役CSO(Chief Solutions Officer)として、SEO・コンテンツマーケティング等の事業開発に従事。JV設立やM&Aによる新規事業開発をリードし、在任時、年商100億から700億規模への急拡大を果たす。2016年、大手企業におけるデジタルトランスフォーメーション支援すべく、株式会社ストロボを設立し、設立5年でグループ6社へと拡大。2018年5月、自動車産業×デジタルトランスフォーメーションの一手として、自動運転領域メディア「自動運転ラボ」を立ち上げ、業界最大級のメディアに成長させる。講演実績も多く、早くもあらゆる自動運転系の技術や企業の最新情報が最も集まる存在に。(登壇情報
【著書】
自動運転&MaaSビジネス参入ガイド
“未来予測”による研究開発テーマ創出の仕方(共著)




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