テスラEV販売14%減、それでも「ロボタクシーで10兆ドル」と強気なワケ

ロボタクシーで逆転なるか



かつての快進撃に、かつてない急ブレーキがかかっている。米電気自動車(EV)大手テスラの販売不振が深刻だ。2026年第1四半期(1〜3月)の販売台数は、前四半期比14%減と、市場の予測を大きく下回る結果となった。


しかし、イーロン・マスク氏と米著名投資家キャシー・ウッド氏が見据えるのは、もはや単なる「クルマの販売台数」ではない。ARK Investが提唱する「10兆ドル(約1,500兆円)」という、全人類の移動を塗り替える巨大なロボタクシー市場だ。

EV販売の落ち込みを、完全自動運転による「AIプラットフォーム化」で塗り替えられるのか。テスラ目標株価2,600ドルの根拠と、世界を席巻する中国勢の動向を紐解く。

【参考】関連記事としては「テスラのロボタクシー、突然の「運賃3倍」値上げ」も参照。

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加速するテスラの「EV離れ」、過去最悪の販売減

テスラの成長神話が、かつてない危機に瀕している。2026年第1四半期の販売台数が大幅減となり、在庫の積み上がりも深刻だ。


2026年Q1販売台数は14%減、アナリスト予測も下回る

2026年第1四半期の販売台数は35万8,023台に留まり、前四半期比で14%の大幅減となった。これはアナリストの予測を約7,600台も下回る数字だ。市場の「テスラ離れ」が予想以上に加速していることを示している。

5万台の在庫積み上がりと「EV冬の時代」

さらに深刻なのは、生産と販売の乖離だ。同期の生産台数40万8,386台に対し、販売台数は35万台強。つまり、5万台以上の車両が売れ残り、在庫として積み上がった。2025年通年でも約9%の減少を記録しており、利益はほぼ半減。かつての「供給不足」は過去のものとなり、いまや需要喚起に苦しむ「在庫過剰」のフェーズへと転落している。

目標株価2,600ドル—ARKが描く「テスラの企業価値」

ARK Investは、テスラを「自動車メーカー」ではなく「AIとロボティクスのリーダー」と再定義している。

全人類の「移動」が丸ごと市場になる

ARKのバリュエーション・モデルによれば、2029年のテスラ目標株価(期待値)は2,600ドルに設定されている。強気シナリオ(BullCase)では3,100ドル、弱気シナリオ(BearCase)でも2,000ドルとしており、現在の株価水準を遥かに凌駕する成長を予見している。


項目2029年の推定株価
(1株当たり)
意味合い
期待値
(Expected Value)
$2,600モンテカルロ分析に基づき、ARKが最も可能性が高いと想定する2029年の株価指標
弱気
(Bear Case)
$2,000この分析において、2029年の株価が2,000ドル以下になる確率は25%
強気
(Bull Case)
$3,100この分析において、2029年の株価が3,100ドル以上になる確率は25%

 

目標株価2,600ドルの根拠と高マージン戦略
出典: ARK Investment Management LLC

「売り切り」から「プラットフォーム手数料」へ

テスラはこの巨大市場において、自社車両を走らせるだけでなく、他の車両にも自動運転ソフト(FSD)をライセンス提供する「プラットフォーマー」としての役割を狙っている。

走行距離に応じた課金や、売上の30〜50%を徴収するプラットフォーム手数料モデルは、従来の自動車販売よりも遥かに高い利益率(粗利80%超)をもたらすという計算だ。

世界を席巻する中国勢、「10兆ドル市場」を奪うのは誰か

テスラが構想を練る間にも、現実のロボタクシー市場では中国勢の独走が始まっている。

現在、世界シェア1位はWaymo(22%)だが、2位の百度(Apollo Go)が20%で猛追。さらに、アリババ出資のWeRide(文遠知行)はUberと提携し、中東での大規模展開を発表した。

テスラの「Cybercab」が普及する前に、中国勢が「1,500兆円市場」のシェアを固めつつあるのが現状だ。

トヨタが出資するPony.ai(小馬智行)は、2026年2月にロボタクシー専用車両の量産を開始。もはや実験ではなく、ビジネスとして中国国内の主要都市に数千台規模で展開されるフェーズに入っている。

日本でのロボタクシーの現在地—WaymoとGoが主役の「東京テスト」

日本国内でもロボタクシーの実用化に向けたカウントダウンが始まっている。

注目はWaymoだ。国内最大手のタクシーアプリ「GO」や日本交通と連携し、東京都内での実証実験を加速させている。2026年中の本格サービス展開も視野に入っており、日本の公道で「運転手のいないタクシー」が走る日は近い。

国内スタートアップの「ティアフォー」が自動運転レベル4実証をリードする一方で、ホンダが米GMと進めていた「クルーズ・オリジン」計画は事実上の頓挫状態。国内勢が外資のWaymoやテスラに対抗できるかは、依然として不透明だ。

EV販売不振は「一発逆転」の序章か、衰退の始まりか

テスラの運命を握るのは、2026年4月に量産開始が発表された「Cybercab(サイバーキャブ)」だ。
ARK Investが描く「1株2,600ドル」という未来は、テスラがこの10兆ドルの巨大市場で支配権を握ることが前提となっている。しかし、マスク氏がこれまで繰り返してきた「完全自動運転」の延期の歴史を考えれば、これは極めてハイリスクな賭けと言える。

「クルマ売り」から「AIプラットフォーマー」へ。2026年は、テスラが再び世界を驚かせるのか、あるいは先行する競合に市場を明け渡すのかを決める、歴史的な分水嶺となるだろう。

記事監修:下山 哲平
(株式会社ストロボ代表取締役社長/自動運転ラボ発行人)

大手デジタルマーケティングエージェンシーのアイレップにて取締役CSO(Chief Solutions Officer)として、SEO・コンテンツマーケティング等の事業開発に従事。JV設立やM&Aによる新規事業開発をリードし、在任時、年商100億から700億規模への急拡大を果たす。2016年、大手企業におけるデジタルトランスフォーメーション支援すべく、株式会社ストロボを設立し、設立5年でグループ6社へと拡大。2018年5月、自動車産業×デジタルトランスフォーメーションの一手として、自動運転領域メディア「自動運転ラボ」を立ち上げ、業界最大級のメディアに成長させる。講演実績も多く、早くもあらゆる自動運転系の技術や企業の最新情報が最も集まる存在に。(登壇情報
【著書】
自動運転&MaaSビジネス参入ガイド
“未来予測”による研究開発テーマ創出の仕方(共著)




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