
「ググる」――。ネット世代であれば誰でもその意味を知っているだろう、メジャーなネットスラングの一つだ。グーグルで検索するという本来の意味を超え、他社の検索エンジンなど含め「検索する」行為全般に使われるほど浸透した。
今でこそ多様な事業展開を行っているグーグルだが、「グーグル=検索エンジン」というイメージは依然として強い。「検索エンジンと言えば?」と問えば、多くの人がグーグルの名を挙げるだろう。
だからこそ「ググる」=「検索する」が成り立つわけだが、この情勢に変化の兆しが見え始めている。検索領域におけるグーグルの牙城に綻びが生じ始めているのだ。
グーグルが検索領域における圧倒的優位性を失った場合、「ググる」=「検索する」の図式は成り立つのか。次の代名詞的事業に「ググる」の内容が変わっていくことも考えられるのではないだろうか。
その候補の一つが「自動運転」だ。グーグル系列のWaymoが自動運転タクシーに先鞭をつけ、今では中国以外では「自動運転タクシー=Waymo(グーグル)」の印象が強い。一部都市ではテスラと競合するものの、自動運転タクシーを展開しているのはWaymoのみという独占状態も起き、配車回数でも有人タクシー配車のLyft(リフト)に迫る状況も生まれている。5都市での有料運行は毎週約30万回に到達している。
将来、「ググる」と言えば「自動運転タクシーに乗る」ことを意味する時代が到来するのだろうか。グーグルの未来に迫る。
【参考】関連記事としては「タクシー配車回数、準大手の米リフトに「Googleの自動運転サービス」が追いつく?」「Google無人タクシー、「富裕層リピーター化」で年間売上450億円へ」も参照。
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■検索領域におけるグーグル
検索領域の世界シェア90%台
Windows誕生後のPCの爆発的普及期において、日本ではポータルサイト型のYahoo!Japanが圧倒的シェアを誇り、マイクロソフトのInternet Explorer×Yahoo!Japanがスタンダードだった。その流れが変わり始めたのは2000年代中期過ぎだ。
グーグルはGmail、Google マップ、そしてGoogle Chromeとサービスの多角化を進めていった結果、Internet Explorerに比べサクサク動くGoogle Chromeが徐々にシェアを増し、それに伴って検索エンジンのシェアも高まっていった。その世界シェアは90%超に達したという。
SNSや生成AIがグーグルの牙城を崩し始めた?
テクノロジー企業として揺るぎない地位を得たグーグルだが、近年、その牙城を崩しかねない開発領域が日の目を浴び始めた。SNSの台頭や生成AIの登場だ。
従来、情報をネットで調べる際は検索エンジン一択だったが、SNSの充実により、情報種別によってはXなどのSNS上でタグったりする動きも強くなった。
また、ChatGPTに代表される生成AIを活用した情報検索・収集が著しく伸びており、既存検索エンジンを脅かす存在となり始めた。チャットボット形式で、会話しながらほしい情報を細かく絞り込んでいくことができるのが特徴で、いわば自分流に検索をカスタマイズできるのだ。
現状、事実に基づかない回答をAIが行う恐れ(ハルシネーション)があるためファクトチェックが欠かせないが、将来的にはこうしたAI検索の応用系がスタンダード化していく可能性が高い。
AI検索などの登場の影響かは定かではないものの、グーグルの検索エンジンシェアは90%を割り込み、80%台で推移している。一方、OpenAIと手を組んだMicrosoftの「Bing」のシェアは微増している。やはり、生成AIの影響が出始めているのだ。
グーグルも当然AI開発に力を入れているが、この流れが進めばAI検索の窓口が乱立し、必然的にグーグルのシェアは落ちていくことになる。
グーグルの代名詞「検索」が過去のものとなる日が訪れるのだ。
■自動運転領域におけるグーグル
世界初の商用ロボタクシーを実現

では、将来のグーグルの代名詞的事業として、どのような候補が考えられるか。その有力候補の一つが「自動運転タクシー」だ。
グーグルは他社に先駆けて自動運転開発を本格化し、2018年末に世界初となる自動運転タクシーの商用化を実現した。その過程で開発プロジェクトを分社化し、2016年に設立したのがWaymoだ。2019年末には無人運行も開始している。
アリゾナ州フェニックスを皮切りに、カリフォルニア州サンフランシスコ、ロサンゼルス、テキサス州オースティンとジョージア州アトランタの北米5都市でサービスを展開しており、今後、フロリダ州マイアミやワシントンD.C.、ネバダ州ラスベガス、カリフォルニア州サンディエゴ、テキサス州ダラス、ワシントン州、コロラド州デンバーなどに順次拡大していく計画を発表している。
また、日本交通や配車サービス国内最大手GOとタッグを組み、日本進出に向け東京都内で実証を積み重ねている。英国ロンドンでも2026年にサービスインする計画を発表しており、海外進出も現実味を帯びてきた。
中国以外では他社の追随許さず
米国ではこれまで、GM系Cruiseが無人の自動運転タクシーを実現したものの、人身事故をきっかけに事業を停止し、2024年末に撤退を発表した。テスラは2025年6月に同事業に参入したが、現時点では車内無人化を果たしていない。
Waymoが無人の自動運転タクシーの運行を開始してから6年が経過しているが、いまだ他社の追随を許していないのだ。世界全体では、中国の百度(Baidu)やPony.ai、WeRideなどが無人運行を実現しているが、チャイナリスクなどを考慮するとグローバルに覇権を握るとは考えにくい。
日本をはじめとするその他の国の開発事業者は、現状Waymoの足元にも及ばない。現時点において、自動運転タクシーと言えば世界的にWaymoなのだ。細かなトラブルは起きているものの、総じて評判はよく、人間のドライバーと同水準の移動サービスを実現している。
中期的には他社の追い上げも期待できるが、おそらく先行するWaymoの優位性は失われない。世界各地で地盤を築き上げ、自動運転タクシーそのものが市民権を得れば、グーグルの新たな代名詞となり得る。
近い将来、グーグルと言えば「検索」ではなく「自動運転タクシー」のイメージが強くなる――ということだ。そうなれば、「ググる」は「自動運転タクシーを使う」ことを意味するようになり、「ちょっとググってスーパーまで行ってくるわ~」……といった使われ方がメジャーとなるのかもしれない。
【参考】関連記事は「Google、自動運転タクシーで欧州進出へ!1カ国目は英国」も参照。
■【まとめ】グーグルの優位性はどの分野で発揮されるか
生成AI系のサービスが応用を利かせながら普及すれば、検索領域における各社のシェアは分散する可能性が高い。OSやブラウザに強みを持つグーグルの優位性は依然高いものの、寡占状態を維持するのは難しくなるものと思われる。
一方、自動運転タクシー領域では、北米を席捲するWaymoが世界進出し、その影響力を世界に広げようとしている。世界的な寡占状態となれば、新たな代名詞の誕生となる。
AIの進化とともに、検索領域、自動運転領域の双方は群雄割拠の時代を迎える。グーグルの優位性は今後どの分野で発揮されていくのか。業界の動向に注目だ。
【参考】関連記事は「Google/Waymoの自動運転戦略まとめ ロボタクシーの展開状況は?」も参照。











